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第四章・8

「おいしいですか?」 「ふふっ。甘いよ」  そこで健の目が、いたずらっぽく輝いた。 「試してみるかい?」  未悠が返事をする間もなく、健は彼に口づけていた。  甘くて、鼻に抜けるような、アルコールの香り。  優しいキスの後、健は未悠を抱きしめた。 「今夜、君を抱きたい。許してくれる?」 「……どうぞ」  ああ、今この腕の中にいるのは。 「未悠は、獣人なんだね」 「そうです」  ああ、今話しかけてくれるのは。 「健さんも、獣人なんですね」 「そうだよ」  運命で出会った、同種。  同じ苦しみ、悲しさを背負い、味わってきた仲間。  健は、何度も未悠にキスをした。  未悠も、次第に自分から唇を重ねるようになった。  体より、心が先にヒートした。

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