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第五章・7
「健さんは、いつか僕の元からいなくなってしまうって、解ってます」
でも。
でも、今この時だけは。
「一緒にいる間だけで、いいんです。僕のこと、好きでいてください」
「未悠」
息を吐きながら、健が言った言葉は。
「ありがとう」
そして、優しく未悠にキスをした。
「好きだよ、未悠」
「僕も、健さんのことが大好きです」
200歳も年上の男性に、恋をした。
先回りで実らない、と宣言されているにも関わらず、だ。
(先のことなんか、どうでもいい。今、この人が僕を抱いていてくれる)
それだけが、未悠にとっては重要だった。
「未悠、もう眠いだろう。体を、拭いてあげるよ」
「あ……」
自分でできます、と遠慮することは簡単だった。
それでも、未悠は健に甘えた。
「くすぐったいです」
「ここが一番、濡れてるからなぁ」
未悠の内股に手を伸ばし、時々性器にいたずらを仕掛ける、いけない大人。
でも、嫌じゃない。
それどころか、楽しい。
未悠は、健と出会ってどんどん変わり始めていた。
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