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第十章・3
「もしもし。どうした?」
『今、うちの事務所が襲撃された。そちらは、大丈夫か……?』
「襲撃!?」
『仁道会の事務所を、片っ端から襲撃してる、イカレた男が……』
「おい、しっかりしろ。おい!?」
通話は途絶え、苦しげだった男の声も消えた。
「何てことだ」
新見は、指を組んだ。
(小咲くんを取り返すために、城嶋が探してるんだ)
それにしても、暴力団の事務所に押し入り、その場の組員を全員叩きのめすとは!
組んだ指を解き、新見は未悠に語り掛けた。
「小咲くん、君は獣人だ。そして、城嶋も。そうだね?」
「違う!」
むきになって否定するところを見ると、間違いなく城嶋は獣人だろう。
(しかも、この私が刺しても死なないような、強靭な獣人)
新見は、武者震いを覚えた。
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