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第十章・6
「何!?」
「ここは、4階だぞ!?」
瞬く間に、二人が倒れた。
飛び込んだついでに手を頭に乗せ、ひねったのだ。
首の骨を折られ、組員は床にくずおれた。
「健さん!」
未悠は必死で起き上がり、電燈のスイッチを切った。
獣人の健ならば、暗がりでも夜目が利く。
逆に男たちは視界を奪われ、慌てた。
「撃つな! 味方に当たる!」
「非常灯を! 早く!」
再び明かりが灯った時、床に転がっている人数は4人に増えていた。
「奴は!?」
「いない……」
組員たちは、震えた。
いつ、どこから、どうやって。
「天井だ!」
悲鳴と共に、一人が倒れた。
天井に張り付いていた健が、上から襲い掛かったのだ。
未悠を奪われ頭に血が上っている健は、瞬く間に組員たちを動けなくしていった。
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