95 / 101

第十三章・4

「健さん、もう僕、ダメぇえ」 「じゃあ、おねだりしてごらん」 「も、バカ! やだ!」 「あ、そう。なら、抜いちゃう」  いやだ、もう~! 「健さんは、意地悪です」 「今頃、気づいたのかな?」  ね、と健は蕩けそうなまなざしで、未悠を見た。 「おねだり、聞かせて」 「……ください」  僕の中に。  健さんの子種、いっぱい欲しい!  こんな可愛らしいことを言う唇にキスをして、健は腰を深く強く穿った。 「はぁ、あ! あ、あぁ、あ。くる、来ちゃう! んあぁあ!」 「未悠、好きだよ」  体を愛しながら、心も愛した。  こんなに、好きで。  はちきれんばかりに、恋して。  ああ、初めて会った時は、こんなに強く君を想うなんて考えもしなかった。 「未悠……」  健は未悠を抱きしめ、長く震えていた。

ともだちにシェアしよう!