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第13話 再確認 3/13

首を横に振る。このまま諦めて屋敷に返してくれないだろうか。 「数時間だけですから」 手を引かれて車から降ろされる。伊織さんと行ったブランドショップでもそうだったけど、店長自らが出迎えて他のお客さんとは違う室内に通された。 「後でお迎えに参ります」 伊地知さんは僕にそう言うと美容院を出て行った。 「あの、よろしいですか?」 戻ってきた男の店長さんはにっこり笑って、「大丈夫ですよ」と言って椅子に座らせた。 今日は小花柄のブラウスにスカートを履いている。長い髪は緩く巻いていた。 「須藤社長から伺っておりますから」 店長さんは笑って、「長いのが流行ってますからね」と言った。 「あの……」 何のこと? 付いていけずに首を傾げる。 「外しますよ」 「え??」 店長さんはそう言って僕の頭から器用にウィッグを外した。 胸まである長いウィッグを外すと、来た時よりは若干伸びた僕の髪。襟足が肩に付くほどのショートだ。 「短いのもとても似合っていますよ」 鏡越しに微笑まれて戸惑う。 「あの……いお……須藤社長はなんて言ってたんですか?」 「いつもウィッグだから地毛の長さは分からないけど、彼女の好みにしてほしいと伺っております」 知っていたんだ……えっとじゃあ……どこまでばれてるの? 僕が男だってこととかももしかしてばれているの?

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