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第14話 願う嫌悪 5/14

絡み合った視線を解くことはできなくて、見詰め合ったまま唇は追ってくる。 「いお………ん……」 名前を呼ぶために開いた唇はそのまま深い口付けに変わった。 抵抗するために置いた腕はそのシャツを握り締めていた。 絡まされて吸い上げられて甘く溶かされる。 熱い息が呼吸と共に吐き出される。 両手で頬を挟んで見詰め合ったまま唇を離された。 「俺の花嫁は君だけだよ。明後日、待っているよ。君が俺を選ぶなら会いに来て」 立ち上がった伊織さんは「鷹に送らせる」と言った。 間もなく現れた伊地知さんと医者と思しき人物。伊織さんは僕を柊家に送るように言うと部屋から出て行った。 出る際に僕の髪を撫でて、耳元で「一緒に乗ろう。隼人」と確かに僕の名前を呼んだ。

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