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第15話 約束の場所 3/15

僕は約束の場所に向かった。 ジーンズにチェックのカラーシャツというシンプルな服装。 髪はドレスを着た時カラーリングしたままの明るい茶色。 誰がどう見ても男だ。 順番を待つ人の列に並んだ。平日で並んでいる人は少ない。それにこの間と同じ閉店間際。 僕の後ろには誰もいなくてきっと最後の乗客になるだろうと予測が着いた。 だけど、伊織さんの姿は無い。 待っていると言ったのに……。 徐々に順番は迫ってくる。 やっぱり男の僕じゃだめだったんだろうか。 僕だって気が付かないんだろうか。 やっぱり女の子の格好の方がいいと思って帰ったんだろうか。 ため息を着いてゴンドラに乗り込むための階段を上がった。 チケットを渡すと、係員のおじさんは「後、2つほど待って」と言って僕を待たせた。 見上げる観覧車はネオンが輝き近くで見ると眩しかった。 「ああ、来た来た。開けるから準備して」 言われて乗り込むためのステップに上がった。 ドアは外側から鍵がされている。その鍵を外してドアを開けたと同時に僕は背中を押された。 狭いゴンドラが大きく揺れて浮遊感に驚いた。だけど、背中か抱き留められた。 「隼人」 耳元で呼ばれた名前に振り返る。 「……いお…………んっ……はっ……」 息も吸い上げられそうなほどの口付け。開いたままの目には僕と観覧車のネオンがキラキラと光る。 僕はその眩しさに目を閉じた。 口付けをしたまま椅子に座らせられた。

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