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第16話 囚われる 6/16
その指先が触れたところから電流が流れたようにビクッと身体が跳ねた。
指先で何度も撫でるようにされるとビクビクと身体は跳ねる。
「ここ、感じる?」
見下ろしたまま笑顔で聞かれて、首を横に振った。
「じゃあ、舐めてもいい?」
「えっ……わっ……んんっ」
聞いておきながら返事も聞かずに口に含まれた。吸い上げられるようにされて舌先で先端を擽られる。
「やっああぁ」
その頭を離そうと髪を掴んだ。だけど、それ以上に快感を与えられて力は抜けていく。
口に含まれている反対側を指先が摘む。
「だめっ……ああっ」
跳ね上げる身体はもっというように胸を仰け反らせてしまう。
チュプンと音を立てて唇が離される。
「感じるよね?」
確認のように言われて、唇を噛み締めて小さく頷いた。
「最初から素直にしていた方がいいよ。もっと良くしてあげるから」
「そ、それはいい」
「そう? じゃあ、痛いほうがいい?」
「痛いの?」
痛いって何? 痛いって……。
「一緒にさあ、気持ちいい方がよくない?」
「……分かんない」
僕が快感を与えられているのは今分かったけど、伊織さんがどうやったら気持ちいのかが分からない。
「分からないんだ。俺もね、男同士は初めてだから分からない。だけど、隼人が『気持ちいい』って言ってくれたら間違わないから言って」
そう言いながらもう一度胸に吸い付く。
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