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第16話 囚われる 7/16
「ああっ……やっ……」
「嫌じゃないよ。いいって言って」
顔だけを上げて僕に笑う。
「……いい」
小さく言った。
「いい子」
「はっ……んっ……」
胸への愛撫を再開されて声を上げた。
そこが『いい』と認識すると余計に感じるのか甘く声がかすれて息が上がる。身体は溶かされていく。
シャツを脱がされて、ボーっと見上げている間に伊織さんは自分のシャツを脱ぎ捨てる。
灯かりが点いたままの室内でそれは鮮明に見える。
引き締まって程好いほどの筋肉。
男同士なのだと再確認させられる。
だけど、それでも求められていることに心は熱く感動する。
口付けをしながらズボンのベルトを外されて、腰を浮かすようにされて下着も脱がされた。
「で、電気消して」
「今更?」
「い、今更だけど……消してください」
「どうしても?」
「どうしても」
「今更だからいいよ」
「よ、よくないっ」
「なんで?」
「な、何でって、は、恥ずかしいから」
横あった大きな枕を引き寄せて抱き締める。大きな枕は上半身を半分以上覆う。
「電気は消したくない」
顔を枕から出したまま伊織さんを見つめる。
「初めてだし。隼人の全部が見たいから」
初めてのことだからきっと忘れないだろう。僕だってそれは同じ。
「次からは消してあげる」
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