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第16話 囚われる 8/16
次からって……。
羞恥に赤くなって抱き締めた枕に顔を埋める。
「次はないのかな?」
「……次って……分かんないよ」
「次が欲しくなるようにしてあげようか?」
「そ、そんなの嫌」
「嫌なんだ」
「……わっああっ……」
ギュッと前を握られた。その後に緩々と上下に手を動かされる。
胸への愛撫で反応しかけていたそれは明に形を変える。
開いている手で枕を取り上げられる。
「明るい方がよく見えるし」
「み、見なくていい……ああっ……はぁ」
手で上下に動かされながら胸への愛撫を再開される。そうされると変になりそうなほどの快感が体中を駆け巡って、何かに縋ろうとその肩を掴んでしまう。
「……ああつ……ダメっ……やぁ」
イキそうになると緩められるその愛撫に身体はどんどん熱くなる。
「可愛い」
唇と手を離されてもはぁはぁと荒い息をつくことしか出来ない。
見上げている間に伊織さんがズボンと下着を脱いだ。
そうして僕の足の間に身体を割り込ませて膝を持ち上げられた。
上体を倒すと僕の両手を自分の首に回すように促された。
ベッドの上にある小さな引き出しから何かを取り出す。ドレッシングのような容器。中は透明だ。
「冷たいかもだけど大丈夫だから」
「何それ?」
片手で器用に蓋を開けた。
「可愛い」
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