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第16話 囚われる 9/16

チュッと口付けをしてそのまま舌を絡められている間に冷たい液体が腹より少し下にドロドロとかけられた。パチンと音がしてボトルを置く音がした。 口付けたまま伊織さんの手がその液体を広げる。すでに勃起している自身やその裏の袋もベチャベチャにされて、その指先がそこに触れた。 唇を離して、「ここに入るから」と言われた。 真剣なその表情。 見つめられて小さく頷いた。 「僕は隼人だよ。撫子じゃない。隼人だけど……伊織さんが欲しい。僕のものになってくれるなら……いい」 「隼人。俺は最初から隼人しか見てないよ」 「んっ……」 濡れた指が中に入ってきた。濡れていて抵抗無く入り込んだそれは緩々と出し入れされる。 「はぁあっ……」 すぐに指は増やされて、広げるように動かされる。 首に回した両手で引き寄せる。 「欲しがって」 耳元に囁かれてゾクリと背筋を通り抜ける快感に中に入った指を締め付けた。 「ああっ……んっ……いお……」 締め付けた拍子に指が何かを掠めた。 そこから電流が流れて溢れた。 「ここがいい?」 首を横に振りかけて、「いい」と返した。 「可愛い」 「……そこで、んあっあっしゃべ、ないで」 ゆっくりとした口調で囁かれるとその息が耳を掠めてくすぐったい。 「ひゃぁあっ……ああっあっ」 耳の中に舌を差し入れられて水音が響く。 「ダメっ……ああっ……あ、や……」 伊織さんはくすくす笑って上体を起こすとそこから指を引き抜いた。

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