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第9話

翌日。 まだ起きてこない二人を置いてカフェに来た。一緒の空間にいたくないのだ。 どれだけ俺を思って別れさせようとしてくれても当の本人がその気もなければ全て無駄にする。 昨日の彼の言葉に迷いはないし目をそらさず見つめ続けてくれた強い眼差しを思い出したくない… 別れた方がいいことは俺自身が一番良くわかっている ゆっくりモーニングを食べてたら電話がかかってきた…あいつだ… 「もしも…」 「今どこにいる」 「…近くのカフェだよ。邪魔しちゃ悪いと思って」 「そこを動くな」 一方的に電話を切られた。あの子はどうなったのだろう? すぐにあいつが現れた。俺を見て瞬間すごい形相で近付いてきて無理矢理手をひかれる 「痛いっ…」 「こいよ!」 そう言って引き摺られるように店を出て路地裏に連れ込まれた。そして激しいキスをされた 「ん…んん!!」 「勝手にどこかへ行くな!」 「だって!えむさんと付き合うんでしょ?俺いらないじゃん!もう別れてよ!もう無理だって!物のように扱うくせに!」 そう言うと腹を殴られた 「ゴホッ…ゴホッ…」 「俺にはお前だけだといっているだろ!」 「じゃあ!何で!!何で指示して俺を抱かせるの?」 「お前が綺麗だからだよ」 「わかんない…もう…ヤダ…無理…しんどい…別れてよ!」 どんなに叫んでもここは人気がないので誰も来ない。そのまま服を剥ぎ取られヤラれた… どんな場所でも感じてしまう俺はもうこいつじゃないと生きていけないんだって思い知らされる 「アイシテル…竜胆」 その言葉は俺を繋ぐ太い鎖だ。俺は馬鹿だからその言葉に雁字搦めにされるのだ 帰宅するとえむさんはまだ家にいた。 「あ。おかえり。アルくん。大丈夫?酷い顔だけど。具合悪くなったんでしょ?」 「大丈夫です」 「えむにまで心配させんな!このバカ!」 「ごめんなさい…」 さっきまでのが嘘みたいにあいつは俺をウジ虫でも見るような顔で見た。 そのままえむさんを抱きしめるといちゃつき始めた 「もう…だめだよぉ…アルくん見てる」 「そうだな。お前の可愛い顔は見せたくないな」 そう言うとえむさんを横抱きにして寝室に消えた。すぐにあの声が聞こえてきた。 いったい何がしたいんだ?わからない…俺を連れ帰った理由は? 聞けないまま時間は過ぎていくのだ

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