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第20話

「いらっしゃいませ」 「こんにちは」 「あれ?山百合さん?」 「こんにちは」 山百合さんは前よりずっと晴れやかに笑ってて本当に綺麗だった。天使かと思った… 「あの。ありがとうございました」 「俺は何も」 「あの日あいつから連絡が来たんです。別れたいって。画像付きだった。」 「そうなんですね」 「あいつあの夜何か目覚めたみたいでそっちの業界に行くことにしたっていってたんです。あなたに会う前の俺ならきっとどんな彼とも離れたくなくて縋り付いてた。でも貴方に会えたからすぐに受け入れられた。それにスッキリしました。送られていた画像があまりにも滑稽で…一気に冷めちゃいました」 「そうだったんですね」 まさかそっちの人が見てるとは思わなかった。あのサイトは相手を探すサイトってだけでそんなのないと思ってた たまたま業界の人が見てて見た目バリたちのイケメンを見つけて拾いに来たのだろう。あれから彼に調教を施して店に引っ張った感じなのだろう それから山百合さんはマメに通ってくれるようになった。コンタクトはまだ怖くてできないって言っていたけどそのうちしたいと思ってるって話してくれた。 見るたび綺麗になっていく彼に訪ねたことがある 「いい人は見つかりましたか?」 「いいえ。けれど今はいいかなぁって。そう思ってます。今は自分磨きです。けど最近は声かけられることも増えたんです。選べるって楽しいですね」 キラキラの笑顔で話してくれたのだ。それから暫くして俺の大学が忙しくなってバイトになかなか入れず山百合さんに会えなくなった。 店長が代わりに対応してくれてたから話しはよく聞かせてもらってた。 変わっていく山百合さんを嬉しく思いながらどんどんおかしな方向に進んでいる俺もいた。その頃新しい彼氏ができてそいつがけいくんの前に付き合ってた奴だ。あいつのお陰で俺はどんどん自信をなくしていくのだ。 山百合さんのときにはできたことも今は出来なくなってしまっていた。

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