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第21話

「…山百合さん…こんな…見苦しいところを見せてしまって…すいません…」 「…いいえ見苦しいなんて思いません。俺、あの後光海さんになかなか会えなかったけど俺はその後も色々気をつけたんです。服だけじゃなく肌や仕草や話し方。自分がなりたかった人になりたくて。俺の目標は光海さん…貴方なんです。だから一度偶然あなたを見かけたとき幸せそうじゃないのがとても気になった。一緒にいた友人と俺は今看護師をやめてなんでも屋さんみたいな仕事してます。別れさせ屋もその一つ。勝手ですけど色々と調べさせてもらって状況を知りました。けいさんを引っ掛けるのはとても簡単でした。あの人の好みは貴方です。だからあなたを真似たら直ぐに引っかかってくれた。これから時間をかけ落とし別れさせようと思いましたが…案外早く…」 「…どうして…何で…そんなことするの?…俺…俺にはあいつしかいないのに!!」 「光海…」 「何か…俺を見てるみたいです。あの時あなたが掛けてくれた言葉今でも覚えているんです。その言葉あなたにそのまま返します」 「…っ…」 「本当はわかっているんでしょ?もうあなたは開放された…それでいいんです」 「開放…された…」 「はい。だから…もう大丈夫…大丈夫ですから…」 「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 泣き叫ぶ俺を店長と山百合さんが抱きしめ続けてくれた。 優しく俺を慰めてくれた。 暫くして落ち着くと山百合さんは今後の処理とかがあるみたいで帰っていった。 「光海」 「すいません…取り乱して…急遽こんなことになってしまい申し訳ありません…」 「いや。気にするな…店は大丈夫だ。お前は働きすぎだからみんな心配してたよ。今はゆっくり休め」 「…店長…あの日はすいませんでした…気にかけて頂いたのにあんな態度を取ってしまって…結果ご迷惑をお掛けすることになって…」   そう言うと店長はもう一度俺を優しく抱きしめる。 「なぁ。光海」 「はい。」 「ごめんな…俺あの人があんなって知ってたのに…守ってやれなくて」 「あなたは何も悪くないです…ちゃんと出来なかった俺が…」 「また、そうやって…」 店長がため息をついた 「ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…殴らないで…」 怖くて体を強く抱きしめた。そうしてるとまた深いため息が聞こえた。それがとても恐ろしくてガタガタと震えだした

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