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第25話

それから2日後。大分体調も良くなってきた。 店長と山百合さん、菖蒲は毎日来てくれるが両親は一度も来ていない…いや…正しくは俺が面会を拒否しているのだ。 母親のあのヒステリックな叫び声が耳に残っていてとても不快で今は会いたくない。 母親は昔からそうだった。俺や菖蒲が新しいことを始めようとすると勉強に関すること以外は全て反対するし母の言う普通と少しでも違う動きをしても発狂する。 今回ばかりは俺の性癖に関することだし母親は特にそういうものに対する偏見が強い。 来たときにまた何を言われるのかわからない。そう思うと自分の母親なのに会うのがとても億劫だったのだ 「りんちゃーん!!!」 「あ…お疲れさまです」 「もう大丈夫なの?」 今は職場の同期の人が面会に来てる。とても綺麗な人だけど実は男だ。 とはいえ本人は女になりたいわけでもなくただ女性のような格好が好きなだけ。 「もう!寂しかったよぉ…会えないからぁ…店長ったら独り占めしちゃってさぁ。好きだからってあんまりよねぇ?」 「店長は心配性だからねぇ。もう大丈夫だから心配しないで」 「何でも話してねぇ。同期のよしみだもの」 「ありがと」 「そういえばさっき受付でりんちゃんに似てる綺麗な女性がいたけれど…お母様かしら?」 「…来てたんだ…今は会いたくないかな」 「何かあったのぉ?」 「うん。俺の性癖がバレてさ…ヒステリー起こしちゃったみたいになって…俺のことだけ言われるのは耐えられる…けど居合わせた人まで虫けらを見るような目で見て…俺がそうなったのは店長が無理な仕事をさせるからだとか言い掛かり付けてきて…俺のこれは昔からなのに…大体俺は店長と仕事がしたくて異動願いだしたんだ。何も知らない人に言われたくない」 「それはきつかったねぇ…」 よしよしと俺を撫でながら言う 「まぁ。私も同じようなこと言われて今は疎遠になっちゃったし…言える立場でもないのだけれど…後悔しないようにちゃんとお話して結果どう転んでもりんちゃんのためにはなると思うわ。これから進むために話した方がいいかもしれないわね」 「話ができればね。今はそんな状態ではないから会わないの」 「うん。それでいいわよ」 そこからは今の店の状態や彼のプライベートのことや世間話をしながら過ごした。 時間はあっという間に過ぎていった それから日毎違う子たちが代わる代わる会いに来てくれて退院の日はあっという間に訪れた

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