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第39話
「お願いします…俺を…あなたのものにして?」
「…っ…光海…」
頬を染めて苦しそうに俺の名を呼んだあと店長は部屋に入り抱きしめキスしてくれた
「…何年も耐えてきたんだ…俺は…あいつらみたいにはなりたくない…だから…」
「貴方はそういう人ではないでしょ?何年見てきてると思っているんですか?」
「お前…」
「…あいつらの…あいつらに刻まれた傷を…貴方に癒やして欲しいです…けど…汚れきった俺ではそんな気にはなりませんか?」
「違うっ!!そうじゃない!!お前震えてるじゃねぇか!」
「え?」
自分で誘っておきながら体が震えていることにも気付かず俺は店長にしがみついていた
「大丈夫だから。側にいるから…だから…安心しろ。な?」
「一人は…怖い…」
何度も夢に見た自分の浅ましい怪物の姿…もう普通では満足出来なくなった体…入院中だけではなくずっとずっと見てしまう悍ましい夢…苦しくて碌に寝られないのだ…。一人は怖い…
「暫く俺もここに泊まっていいか?お前のそばにいさせて?」
「でも…俺…」
「大丈夫。何年見てきてると思ってんだよ。俺は…お前をあんな扱いはしない。出来ないんだ。だって俺の人生で唯一愛している人なのだから。そんなことして嫌われたら俺は…生きていられない。中に入って平気か?」
「はい」
店長の手を引いてリビングに入れた。
「風呂は?シャワーか?」
「本当は浸かるのが好き。けど 最近は出来なかった」
「なら。湯を張ってくる。その間お前を抱きしめさせていてくれ」
頷くとふわりと抱きしめてくれる。
「何も焦らなくていい。不安になんなくていいからな」
「はい…けど…店長。これ反応してますけど?」
「そんなのほっときゃ収まる。好きな相手を抱きしめてるんだから許せ」
「はい」
二人で笑いあい啄むようなキスを繰り返しているうちにブザーがなった。
「一人で平気か?」
「…一緒がいい」
「わかった。お前何かでか目の服持ってる?」
「うん。あります。」
「下着は…ねぇよなぁ?」
「あります。母が俺の入院中に買ってくれてたんですけどサイズ大きくて…このサイズで良かったですよね?」
「あぁ。ありがとう」
二人で脱衣所に行き全て脱ぐ。
「わァ…初めて見るけどやっぱいい体すね」
「お前も華奢に見えるけどすげースタイルいいいよなぁ」
互いに褒めながらゆっくりと風呂に浸かる。母がここもこだわったみたいだ
俺が風呂好きなことを知っているから。男が二人で入っても狭くは感じなかった。
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