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第48話

「濡れたぁ…でもこのくらいすぐ乾くね」 「ごめんなぁ。俺が前の方に行きたいって行ったから」 「俺も前で見たかったからいいんだよ。予想以上だったね。今日は暖かくて良かったねぇ」 「…いやいや…目のやり場に困るんだけど…お前…シャツ…透けてるから…俺のジャケット着といて…」 「ありがとう。寒くない?」 「俺は大丈夫。先に売店行って服買うか」 「うん。っていってもここ水族館グッズしかないと思うんだけど…」 「それもいいんじゃね?バカップルみたいでさ!」 そう言って売店へ向かう。奥の方に行くといろいろな服がおいてあった 「へぇ。以外に種類多いんだなぁ…」 結局Tシャツとシャツを買った。流石に色違いとかは恥ずかしいのでデザインが違うものにした。 「それ。いい色じゃん」 「店長のもいいね!やっぱスタイルいいから何でも着こなせるね」 「お前もな。さて。続き行こっか」 そうしてゆっくり堪能してさっき教えてもらった水槽の前に来た。 「うわぁ…一杯いる…見つけられるかなぁ?」 夢中で見つけていると思ったよりもずっと距離が近くなっていた。 「「あ!いた!!」」 そう言って指を差すと店長と指先が触れた。ほんの少しなのにびびって何か電流が走ったような気がした。そのままそっと店長の手を握る。 「見つけられましたね…幸せになれるかな?」 そういうと店長はぎゅっと握り返してくれた。 「なれるかなじゃねぇよ。なるんだ。一緒にな」 「うん…」 そっと、身を寄せた。その後は特に会話もなく淡々と歩みを進め車に乗り込んだ 「竜胆楽しかった?」 「はい!店長の子供みたいな無邪気な姿たくさん見れて楽しかったです。ほら。沢山写真撮っちゃいました」 「いつ撮った!?」 「んーたくさん撮ったから覚えてません」 「気付かなかった…」 「そんな無防備な姿他の誰かも知ってる?」 「家族以外は知らないと思うよ」 「やった!俺ラッキーだね」 「竜胆のそんな可愛いとこは誰か知ってんの」 「ううん。こんなに素でいられることってこれまでなかったんだ。だから知らないよ。店長だけだよ」 そう言うと店長はそっと俺を抱き寄せて込髪にキスしてくれる。店長の表情は本当に嬉しそうで幸せそうで… 「飯食って帰る?」 「ううん。家で食べたい…店長のご飯食べたい…前食べ損ねちゃったから」 「いいぜ。じゃあ買い物して帰ろっか」

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