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第63話

店長が戻ってきてゆっくり寛いでいるともう一度来訪者が現れた。 「お兄ちゃん」  「あぁ。琥珀か。おいで」  「あのね。お兄ちゃんの大切な人に挨拶に来たの」 可愛い…本当に可愛い…男の子なのにお人形さんみたいに色白で大きな目で…ひたすらに…可愛い… 「透輝もいるの。いい?」 「いいよ」 そう言ってもう一つの影がゆっくり部屋に入ってきた。俺と目が合うと琥珀くんの後ろに隠れてしまった。 え…可愛い…どっちにしても可愛い…人見知りって言ってたのにここまで来てくれたことが嬉しかった 「あの…竜胆くん…琥珀です。兄がいつもお世話になっています。今後とも宜しくお願いします」 「宜しくお願いします」 そう言うとぱーっと明るい顔になってひまわりみたいな笑顔を見せた琥珀くんにまた悶る俺… 実は子供が好きなのだ。けど何故か自分から行くと怖がられるので待つしかないのだ。 「透輝もご挨拶は?」 「…竜胆くん…私をお嫁さんにしてください!」 「えっ!?」 「お兄ちゃんより私がいいと思う!」 自信満々に透輝ちゃんが言う。何それ…可愛すぎるんだけど…人見知りのはずなのにまさかの言葉に驚いてけど何だかにやけた 「あのね。竜胆くんと今日会ったときに雷に打たれたみたいな衝撃だったの!だからね!これは運命なのよ!」 「透輝。そんな言葉どこで覚えてきたんだ?」 「愛の力よ!」 「可愛い」 「えっ!今私のこと可愛いっていった!?言ったよね!?」 「言ったよ」 「ほら!やっぱりお兄ちゃんより私がいいのよ!」 「透輝。いい加減にしなさい」 「だってさ琥珀!可愛い子がいいに決まってるじゃない!お兄ちゃんはカッコいいけど可愛くはないもの!」   「すいません…竜胆くん…透輝が…ちゃんと言って聞かせますので」 年齢に思えないような発言をする小さな兄妹が微笑ましい 「透輝さん」 「はい!」 「君の気持ちは嬉しいです。けれど俺はね、藍玉さんと生きていくと約束したんです。だからお嫁さんにはできません。けれど透輝さんのお兄さんにはなれるよ。それではだめかな?」 「…っ…お義兄さん…」 「はい。君のお義兄さんにしてくれませんか?」 「…わかったわ…わかったぁ…仕方ないわね…じゃあ一つだけいいですか?」 「なぁに」 そう言うとトコトコと俺の元へ近付いてきてベッドに乗り上げる。そして…チュッと頬にキスしてくれた 「藍玉兄さんのことお願いします。藍玉兄さんはカッコいいんだけどうっかりさんなの。だから竜胆くんが助けてください!」 そう言うとベッドから降りお辞儀をした 「お二人のお邪魔してごめんなさい。けど…藍玉兄さんに飽きたら私に乗り換えていいからね!」 「ふふ…ありがとう」  「お騒がせしました。これで僕と透輝は失礼します」 そういうと二人は連れ立って部屋を出た。 「…今の子は…すごいですね…」  「まさかあの透輝がねぇ…ったく妬けるぜ」 そう言うと上書きと言って透輝ちゃんが口付けた場所へ唇を寄せた

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