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「はぁッ…あ、んあッ…あ、くッ…」 「キツくないですか?」 「ンッ平気…あ、そこ…!」 「ここ?」 「ああんッ…!だめ、そこ、ダメぇ気持ちい…っ…」 いつも一人で潜り込み、後からこっそり入ってくる龍樹と布団を共にしたまだ新しいダブルベッドに寝かされて大きく足を開き、的確に優弥のいいところを探り当てながら秘孔を柔らかくしていく龍樹の指に、優弥はすっかり溺れていた。 経験豊富とは思えない龍樹とほとんど初めてに近い行為で、ここまで優弥のいいところを探り当ててくるのは、やはり運命が成せる相性のおかげなのだろうか。 なんでもかんでも運命の番のおかげにしたくはないが、それでも運命には感謝してしまう。 一目で大好きになった人と結ばれて、こうして肌を合わせて快感を得られることに。 「先生…」 ぬち、と粘着質な音を立てて指が出ていく。空洞になったそこがひどく寂しい。 熱のこもった視線に、欲望がにじみ出る雄の声。ぞくりと背筋を恐怖とも期待とも取れるなにかが這い、ごくりと生唾を飲んだ。 龍樹の手がそっと優弥の頬を撫でる。自然な流れで唇が重なり、舌を合わせて唾液を交換した。 そして、秘孔に触れる熱い塊。 ひくりと期待に震えたのは、秘孔だったのか心だったのか。 「…あ、あッ…ああー…ッ!」 発情期でもない今、そこはただの排泄器官だ。そこに押し入る龍樹の熱は、紛れもなく異物だ。 だというのに、そこはあまりにも自然にそれを受け入れた。 ギュッと抱き着いてその衝撃に耐える。息を詰める龍樹の背に爪を立ててしまったけれど、それどころじゃなかった。身体中を駆け巡る悦楽に理性を手放さないように必死だった。 貫かれた衝撃に身体を震わせる優弥に、龍樹は荒い息を吐きながらじっと耐えていた。時折優弥の髪を撫で、額にキスを落とし、そして漸く優弥が落ち着きを取り戻すとそっと微笑んで唇を重ねた。 舌先を擦り合わせながら、ゆっくりと律動が始まる。様子を見るような小さな動きはすぐに激しくなり、優弥もまた応えるように龍樹の動きに合わせて小さく腰を振った。 「んッんっふ、んあっ!あ、あんッあ、たつきく、アッ…」 意味を持たない音の中に混じる龍樹の名前。好き、とか、愛してる、とか、気持ちいい、とか。そういう言葉も伝えたいのに、口を開けば出るのは甘い喘ぎばかり。 優弥は白い喉を反らして快楽の深さを訴え、龍樹はその喉に甘く噛み付いて更なる快楽を与えた。 「も、あ、おれ、すぐイっ…あんッ!ふ、だめ…ッ!」 「先生、………」 「あっ…あ、ああッ!あ、ひぅッ…!や、あーッ!」 龍樹の形のいい唇が耳元に寄せられて、小さく小さく囁く。 それを聞いた瞬間、優弥の熱は一瞬で弾け、それに伴って激しく収縮する秘孔に、龍樹も放った。 二人分の荒い息遣いが寝室に響く。 ポタリと優弥の頬に落ちてきたのは、龍樹の額から流れ落ちた汗だった。 「ふふ、龍樹くん汗かいてる。」 「…暑くなるって、言ったでしょう。」 「うん、俺も暑い。」 暑い暑いと言いながら、腕を伸ばして距離を縮める。触れた素肌はしっとりと汗ばんでいた。

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