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第4話

とも君と距離を置いた俺は暫くやめていた出会い系サイトをもう一度使うことにした。彼といられないのなら他で埋めるしか無いと思ったのだ。 出会った相手は俺よりも一つ下で小柄な人だった。 見た目はまぁ普通の子。のりがいいのも元気がいいのも少しだけとも君に似てた。 彼も直ぐに関係を持つような相手ではなかった。そういうのが理解できないという考えを持っている人だった。真剣に交際相手を求めていることも知った。もしヤリ目ならごめんなさい…そう言える人だった。誠実で真面目な人だった。 そんなに真剣に相手を探しているなら俺じゃない方がいい。俺は好きだった人を諦めるためにここに登録したのだから 正直に告げると彼は柔らかく微笑んだ 「俺を利用していいよ。一番じゃ無くたっていい。その人のこと好きなままでいいから俺と付き合って」 その言葉に俺は泣いた。こんな人にそう言われるなんて幸せなことなんだろう。けれど直ぐには返事が出来なくてさらに時間を費やした。付き合うまで約2年…その間彼は俺に手を出すことは無かったし余所見をすること無くまっすぐに俺を見つめてくれていた。 正直言って彼を恋愛的な意味で好きにはなれなかった。待たせるのも申し訳なくてそのことも伝えた上で彼との交際をスタートさせた それなのにとも君の事をどうしても忘れられなかった。こんなにも愛してくれる優しいパートナーがいるのに…申し訳ないけど別れる理由をそれにするのも違う気がして結局別れられないままに時だけが過ぎていった そうこうしているうちに俺たちの住む地域にパートナーシップ制度が導入された。 彼はパートナーシップを結びたいと言ってくれた。そんな彼への罪滅ぼし…身勝手な考えでそれを受け入れる事にした。 俺の住む狭いアパートに身を寄せながら必要なものを用意して新居も決めとも君との思い出が詰まった家を後にした。 彼とはこれまで一度も喧嘩したことも無かった。色々な場所に連れて行ってくれたし家で過ごす時は家のことも手伝ってくれた。生活は穏やかだった。 その日は彼が家に仕事を持ち帰っていてパソコンに齧り付いていた。そんな時久しぶりに聞く着信音が鳴った 「もしもし。しーさん?久しぶり」 「どうしたの?珍しいね」 「桜が綺麗だったから見に来たんだ。出てこれる?」 「…」 声が漏れていたのかパートナーが言っておいでと声を掛けてくれた。 「しーさん?誰かといるの?」 「あぁ…うん…」 「そっか…じゃあ無理させられないね。実はあのファミレスにいるけど…」 「引っ越ししたんだ。近くっちゃ近くだけど」 「いいよいいよ!友達といるなら悪いしまた連絡するね」 とも君には新しい生活が始まった事を話せなかった。…ケジメをつけるため最後に会うことにした

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