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嬉しい

******  「温泉…ですか?」    日曜日の午前11時。小海老とブロッコリーのサラダとガーリックトーストを作り、軽めのワインと数種類のカットチーズを、ガーデンテラスの小さなテーブルに並べていると、双葉さんから「温泉旅行に行こうか」と誘われた。  「月末の結婚記念日に合わせて出掛けよう」  「ぼ、僕!スケジュールの確認してきます」  嬉しい!双葉さんから、旅行のお誘いなんて初めてだ。僕達はお互い忙しくて、新婚旅行すら行けなかった。だから…  「もしかして、これが新婚旅行?、になるのかな?」  ドキドキする。発情期は来ないままだけど、もしかしてもしかしたら、し、初夜も…。  ボッと顔に火が噴いた。何を想像してるんだ僕はっ。恥ずかしい。熱くなった頬に手を当て熱を冷ます。数回深呼吸して、ドキドキも落ち着かせた。  ベランダのガーデンテラスに戻り、双葉さんに予定を告げる。幸い急ぎの行程も試験もない。  「じゃあ決まりだね。折角だし、二泊三日で予約を取ろう。楽しみかい?」  「はい!とっても」  にこにこと頬が緩みっ放しだ。そんな僕を楽しそうに見てくれる双葉さんが、やっぱり好きだなぁ、と思うのだ。

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