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新婚旅行〜②

 お風呂から上がると、双葉さんもようやく一段落ついたようだ。浴衣に着替えてお茶を飲んでいた。  「もうお仕事はいいんですか?」  「ああ。終わったよ。 秋」  ドキンとした。この頃僕は、双葉さんに名前を呼ばれるだけで心臓がドキドキする。  「ここへおいで」  お腹の辺りがきゅっとする。普段のスーツ姿も物凄く素敵だけど、見慣れないせいか、浴衣姿の双葉さんはいつも以上に格好いい。何ていうか…色っぽい?、感じ。  隣へ誘われ素直にそこへ座る。温泉でぽかぽかに温まった身体が更に温度を上げた気がする。  「顔が赤いな。逆上せたんじゃないか」  逆上せたんだとしたら、それは温泉ではなくて双葉さんのせいですよ。  「す、少しだけ。でも平気ですよ。双葉さんも折角ですからお湯に浸かって来てください。疲れが吹き飛びますから」  「そうだな。そうするか。秋はちゃんと水分補給しときなさい」  「はい、分かりました」  いい子だね、って頭を撫でる双葉さんを見送って、ほぅ…と息を吐いた。僕はドキドキしっぱなしだ。この旅行の最中、ずっとこんな調子で大丈夫だろうか。主に僕の心臓が、だ。

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