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巣作りΩと子作りα 〜side 秋※

 僕の愛する旦那様はとても優しくて素敵な紳士。上位種のアルファらしい立派な体躯と見惚れるほどの美貌の持ち主だ。榛色の綺麗な髪も素敵だし、少し赤みのある紅茶色の瞳は僕の1番のお気に入り。あの瞳に見つめられると、僕の心臓はドキドキが止まらなくなる。  それからいつもいい匂いがする。爽やかなジャスミンの香り。あれに包まれるともう駄目だ。  あっという間に僕はイヤらしい気分になってしまう。  夫である双葉さんと同じベッドで眠るようになってから、朝起きるとたまに酷く欲情している事があった。  恥ずかしくて、いつもは双葉さんが目覚める前にトイレへ行き、硬く張り詰めたソコを宥める様に自慰を済ませる。  これが最近頻繁で、僕はちょっぴり落ち込んでいた。  まるで淫乱にでもなってしまったかの様な後ろめたさ。しかもソコを擦るだけじゃイケず、胸の突起まで一緒に弄らないと駄目なんて…。  本当に僕はイヤらしいオメガの奥さんだ。双葉さんが知ったらなんて思うだろう。そう考えると増々落ち込んでしまうのだ。  今夜は仕事で遅くなると双葉さんから連絡があり、先に休ませて貰おうとベッドに入った。  この所少し身体が怠かったせいもあり、そろそろ発情期が近いのかとも思ってはいたけれど、布団に残る双葉さんの匂いを感じた瞬間、ドクンとお腹の奥が疼いた。  ああ、また…。  本当に僕、なんてイヤらしんだろう。    布団に染み付いた双葉さんの匂いをスンスンと吸い込む。凄くいい匂い。でも…、何だか物足りない気もする。もっと欲しい…。もっと……。  そんな事を思いながら、僕は眠りに就いた。  ーーーーーはずだったんだけど……  「あ…んん……、ふ、ふたばさん…?」  胸に甘い痺れを感じ、微睡みから覚めた。  全身を包むようなジャスミンの爽やかな香りを感じる。  双葉さん、帰ってきたの? …嬉しい。  「秋…。 とても素敵な寝床だね」  「ん…、んえ? ぁあん…、な、に?」  見てごらん、と言われ、ふと自分の周りを見渡すと、何処から持ち込んだのか、Yシャツやらタオルやらが自分を取り囲む様に置かれ、靴下や下着を枕代わりに敷いて、枕元には腕時計に万年筆、スリッパまで並べていた。  これ…、全部双葉さんのものだ…。  熱に魘されるような感覚を覚えたまでは記憶している。それから…、どうしたんだっけ?  あぁ…、そうだった。  双葉さんの匂いが足らなくて、あちこちから集めて運んできたんだ。  「ぁ…あの、ね。 足らないの…、双葉さんのにおい…欲しくて、僕、ぼく…」  「足らない? じゃあ、もっとあげなくちゃね」  うん、うん。 もっとちょうだい。  いっぱい欲しいの。たくさん、匂い付けて欲しい。  「ふたばさん…、つけて? …ぼくに、におい、 ふたばさんの、においほしい」  「匂いだけ? 他には?」  他に? そんなの……  「ぁ…あかちゃん、ほしい、…ふたばさんのあかちゃん、ぼく…、ほしいよぉ… 」  そうだよ。ずっと欲しくて欲しくて、堪らなく欲しくて仕方無いんだ。  「ね、ね? ぼくのおなかの中、ふたばさんの熱いのいれて? 中、いっぱいにして? おねがい…、ほしい」  「ああ…秋。 お前はなんて可愛いんだろうね。 わかった。赤ちゃんの種子、お腹にたくさん入れようね」  うん、うん。して。 早くちょうだい。  薄く開いた口の中に、双葉さんの分厚い舌が入ってくる。合わさった唇をピタリと塞いで口の中をクチュクチュと掻き混ぜられると、自然と腰が揺れる。  キス…、気持ちいい…、これ好き…、双葉さん、大好き…、もっ…と、ちょうだい……。  恥ずかしさや後ろめたさが、蕩け出した思考に支配されていく。絡めるように差し出した舌を双葉さんがチュッチュッと吸い出してくれた。  ああ…気持ちいい……。  甘い…おいしい……。  いつの間に服を脱がされていたのか、双葉さんの大きな掌が僕のお尻を割り開き、いつもは慎ましく綴じている窄まりをクチクチと指で弄られる。  「んあぁ…ンっ、 ぁあ…っ、」  「ここ…、もうこんなに濡れてる。 気持ちいいの? 秋」  うん、うん。 気持ちいい…。  そこは既にヌルヌルとした愛液が溢れ出て、割れ目を伝って背中まで濡らしていた。    「あ…あ…、もっ、と奥、 奥の方…して?」  「ふふ…、もう指じゃもの足りない?」  足りないよぅ…。もっと太くて熱いので、奥のお部屋まで来て欲しい。  「して、して? ふたばさん…、もう挿れてください」  「まだ駄目だよ秋。久々だからね、もう少し入口を柔らかくしないと、怪我をしてしまうよ」  「やん、やっ! 欲しいのっ、ふたばさん…、早くちょうだいよぅ」  「こらこら、そんなに煽らないで。 ほら、ここ。秋の気持ちいいところ、擦ってあげるから」  ああっ、そこダメ!   双葉さんの意地悪な指は、入口近くの凝りを円を描く様に撫で擦る。それをされると僕はたちまち昇り詰め、あっという間に白濁を吐き出した。    吐精に上がった息が整う隙もなく、更に同じ場所をトントンと弾かれて、イッたばかりだというのに僕は再び昇り詰めそうになるのを必死で耐えた。  「あっ! いやいやっ! ま…、またイッちゃうっ、イッちゃうからぁ」  「秋…、可愛いよ。 もっとイッてごらん。こっちも可愛がらせて? いい?」  そう言うと双葉さんは、僕の胸の突起に吸い付いてきた。  そこは抱き合う度に双葉さんに可愛がられ、初めてそこを意識した時よりも、少しだけ大きく膨らんでいる。そのせいで僕は自慰する時ですら、そこを弄らないとイケない身体に変わってしまったくらい、感じて感じて仕方が無い場所。  「あぁんっ、…そ、そこダメっ、すぐイッちゃう! ち、乳首、いやぁっ、ァん」  「秋…、ここ好きだろ? 自分でも弄ってしまうほど?」  あぁ…、バレてしまった。双葉さんにイヤらしいオメガだと知られてしまった。  「ご…、ごめ、なさ…、ンぁ…っ」  「いいんだよ。 そうしたのは俺なんだから。さぁ…、素直に感じてごらん」  一層キツくそこを吸い上げられ、舌先でクリクリと弾かれる。  堪らない…っ、気持ち、いい…っ!  双葉さんは僕の濡れそぼった穴をクチュリクチュリと悪戯しながら、乳首にも意地悪をする。  舌先で先端を激しく転がし吸い付いて、時折カリッと歯を立てる。  僕の身体はその度にビクビクと跳ね、頭の中は真っ白になり、涙を溢して甘い嬌声をあげる。  もう、何も考えられないくらい気持ちいい。  言葉を発する事すら忘れてしまった獣の様に、無意識に揺れる腰を大きな掌が抑え込み、その瞬間は訪れた。  「秋…、ほら、 分かる? 俺のが挿ってくよ? ね、わかるかい秋っ」  「ぁ……あ……、はい、ってく、ん…んん……」  嬉しい…。熱い…。 これ、待ってた。  「ふた、ばさ…ん、 ぅれし…」  「ーーっ、秋、 あきっ、」  挿し込まれた熱い肉棒が激しくそこを出入りする。その度にグチュグチュとイヤらしく音を立てて、奥からどんどん溢れる陰液が流れ出る。  ああ…いいっ、もっと欲しい。  肩に担がれた両足の爪先がガクガクと揺れて、大きく身体を揺すられているのが分かる。  凄い…、こんな双葉さん、初めて。  奥の壁にガツガツとぶつかる感覚も経験した事無かった。  双葉さんが、こんなに僕を欲しがってくれている。ーー嬉しい。ーー嬉しい。  グイッと身体を持ち上げられ、跨ぐように下から陰茎を突き刺されると、今まで挿った事もない場所まで双葉さんのモノが届いた。  「う…っ、んん…、ぅ、くっ…」  「苦しいかい、秋。 でも、赤ちゃんが欲しいんだろ? なら少し、…我慢して」  僕は知らなかった。  今まで双葉さんは、どれだけ僕を大事に抱いてくれてたのだろう。  アルファを孕む僕の子宮は、こんな奥にあったなんて…。  僕は自分のお腹にそっと手を置いた。  「ふ…たばさん……。 僕の、赤ちゃんのお部屋、 ーーここ?」  おヘソのすぐ下、そこに双葉さんが挿ってるのを感じる。  「っ、そう、だよ。 ここに、今から俺の種子を入れるからね」  「ぅん、…うん。 うれし…、い、れて?」  あ……。 真っ赤だ。  いつもキラキラとした双葉さんの紅茶色の瞳が、今はメラメラと燃えるような赤い色に染まってる。  ーーー夕陽みたい…。  燃え盛る夕陽の瞳に炙られながら、下から突き上げられ激しく身体を揺さぶられる。  ガクガクと視界が振れて、涙は絶え間なく溢れるのに、心の中は幸福感でいっぱいだった。  必死にしがみつき、やがて窄まりの入口を中から膨らんだ瘤がみっしりと塞いだ。  「出すよ、秋っ、」  「んぁぁあ……っっ、!」  双葉さんは僕の頭を肩に押し付けるように抱えると、首の後ろをキツく噛んだ。  おヘソの真裏に熱い飛沫が叩きつけられ、長い長い射精が始まる。  ああ…っ! 熱い…っ!  瞼の裏側がチカチカする。頭の中は真っ白に塗り潰されて、ただただお腹の中に流れ込んで来る熱い精液を感じとり、繰り返し訪れる絶頂感に絶え間なく身体を震わせた。  赤ちゃんのお部屋…、双葉さんのでいっぱいだ。  双葉さん……。 僕、ママになれますか?  

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