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第9話 粗大ゴミからの脱却だけど。 2

紅葉という男前の後を追って中に入ると、そこには結構広い居間になっていた。 そこに最近ではあんま見ない黒髪美少女が赤ちゃんを抱いていた。 ……でも僕のほうが『美しい』し、負けてない!! 「あら兄さん、また朝帰りですか」 その美少女が僕と目が合ったら婆さんと同じくこの僕を見た途端目を丸くして見た!! 「なっなんだよ!!」 僕は軽く睨んだみつけた。 「兄さんがとうとう相手を見付けたのですね、うふふ、可愛らしい少年だこと」 なんでか嬉しそうに僕に駆け寄ってきた。 いやいや、なんで!? 「行き場所がない少年をゴミ置場で拾っただけだ」 紅葉がそう美少女にいうと抱いてた赤ちゃんが泣き出した。 「ふぎゃぁぁっ…!!」 「あらあら……俊さんごめんなさいね。兄さんが紛らわしく『美少年』を拾って来るものですから、てっきり本命が出来たのかと思ってしまいました」 ……本命? 赤ちゃんをあやす美少年は紅葉のこと『兄さん』と呼んだから多分兄妹だよな? その赤ちゃんは誰の子なんだ…まさか婆さんがあの年で産むわけないし、というか産めるわけなーい!!と自分で突っ込んだ。 多分他に兄弟がいるんだろう。 手が空かないから面倒を見ないといけないとか可哀想だな……というか、何であの美少女まで着物着てるんだ? 普通学校の制服か、僕のように洋服だよねぇ? 「貴方立ってないで座ったらどうですか?疲れてしまいますよ」 「あ……ああ、うん。ありがと」  女ってどう接していいのか僕はわかんない。  僕の双子のいもうとアカリみたいに接っするわけにもいかないし。 今日捨てられた男の拘束具のせいで痛む腰を庇いながら、僕は壁際に座った。 「……本当に兄さんの相手ではないんですか?」 「違う。私は未成年を相手にはしないよ」 「貴方、腰を庇ってますよね?」 凄い観察力に僕は驚いた……でもそんなんで女子力を僕に見せつけてもなびかないよ。 「座布団、私の貸してあげます。夜大変でしたよね?」 「……?そうだけど、何でわかんの」 僕はイマイチ思考が付いていけなくて……首を捻った。 僕はあんま勉強も理解力もない、僕にあるのは『美』だけだからこの二人の会話についていけてなかった。 「兄さんの好みの顔立ちですよね?」 「顔だけだ」 この会話で分かった。 「紅葉、あんた……ひょっとしてゲイ?」

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