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第12話 家族に色々あるのは僕もそう。 2

「『ヒカリ』、あんたホモなの?」 『アカリ』と入れ替わりに風呂に入るのときに呟かれた。 父親にも母親にも、聞こえないような声で聞いてきた。 「『アカリ』は『僕の友達』のこと好きなんだ?」 仕返しというわけじゃないけど、僕も呟いた。 すると『アカリ』の顔がボッと火が付いたように紅くした。 ……ふーん、図星か。 「違う、『ヒカリ』の回りにいる男はみんな嫌い。あんたにベタベタしてて気持ち悪いし」 態度には出しているのに、言葉のほうは逆なんて素直じゃないんだ。 僕からしてみたらアベコベのそっちのほうがキモチワルイ。 「『男同士で手なんて繋ぐ』のはなんで?」 『アカリ』は一応は双子の妹、憎たらしくても情はあるから、僕はそのまま続けた。 「そんなに好きなら、告白すれば?」 僕は一言そう伝えて風呂場に行った。 ……風呂場で身体は洗うけど浴槽にはりたくない。 僕はこの『だいっきらい』な家族が入る浴槽には『入れない』。 同じ湯に浸かるなんてキモチワルイ、 下着は100円ショップの使い捨て。 家族と同じ洗濯機なんて使えない。 まだ一度も洗濯してない下着を身に付けたほうがマシだ。 情はあっても家族の一員には『なりなくたい』。 それから次の日、学校で僕のセフレに『アカリ』が告白して、フラれた。 キッタナイ鳴き声で吠えるように泣いてた。 可哀想な僕の双子の妹、『醜いアカリ』。 僕はそんな『醜いアカリ』が可愛かった。 愛おしくて仕方がなかった。 でも『アカリ』はもっと僕を煙たがるようになった。 それが切っ掛けでストレスを感じる僕は、セフレに犯されるために学校に行くようになりはじめた。 そのあと『アカリ』は偏差値の高い高校に進学し、僕は不良とバカしか通わないと有名な高校に進学した。 入学式の前日夜に僕は髪を脱色して、頬にガーゼを付けて学校に行った。 僕は父親にボゴボコに殴られたわけ。 ちょっした『美しいい僕』になるための反抗期だよねぇ。

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