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第14話 家族に色々あるのは僕もそう。 4

「ヒカリ」 艶のある重低音の声で呼ばれて僕は我に返った。 きちんとメシが食べられて満足しちゃったみたいな僕は、寝ちゃってたみたい。 思い切り伸びをしながら笑って言ってやった。 「あんま寝てなくて、眠ちゃってた。……襲ってくれて良かったんだよ?何せ僕は『美しい』から」 「生憎私は未成年を襲うほど飢えてはいない」 この僕の誘いをスッとかわすなんて?! この僕が断られるなんて、信じられなーい!! 「……同じゲイなのに、僕の誘いにノってこない男。はじめてなんだけど!!マジ最悪」 スゴくプライドがズタズタのスプラッタだよ!! 「人には好みというものがある。オレサマや高飛車はタイプではない」 今の僕のままじゃぁ、手は出してもらえそうにないってことか。 せっかく近くにキモチイイこと出来そうな男前がいるのに。 ……なら出方を変えてみるか。 「ヒカリ部屋を1つ貸してやる」 「ねぇ、なぁんで俊だけ『季節』に関する名前じゃないの」 僕はさっき考えてた自分のこと、考えてて気になった。 紅葉は知らん顔で廊下に出たから僕は慌てて、立ち上がってその後に続いた。 少し歩いたところで紅葉は振り向き急に僕を抱き締めてきた。 僕は、なにがなんだかんださっぱり分からなかった。 「先程のヒカリは悪くはない」 服越しでも雄々しい身体つきが分かる。 ……紅葉のペニスはどんなに雄々しいんだろ。 僕は紅葉の背中に腕を回そうとしたときに離された。 「紅葉」 「小雪本人に聞きなさい」 聞きにくいから聞いてんだよ、あんたに。 そして僕のことも聞いてほしいんだよ、あんたにさ。 案内された部屋はこれまた純和風で僕ん家とは全く違う。 「悪いが和装タンスしかない上に和服しか入っていない。だが自由に来て構わない」 「いい、100均とかリサイクルショップで買う」 「金を貯めなさい、二十歳には出てってもらう」 二十歳には確実にネット難民に逆戻りかな……。 「……分かった金は貯める!!でも僕は社会に出て働いたことないから、ウリしていい?」 「ヒカリにはこの家でやってもらいたいことがある。するならタダで泊めてやる」 「僕はセックスしか出来ない!!紅葉やろうよー」 「俊が知りたいと言ったし、知る機会をやると言っている」 ……まぁ、俊だけ名前が違う理由を教えてくれんなら、やってもいいか。 「しょうがないなぁ。紅葉がお願いしてるし、……やってあげるよ。で、なにやればいいの?」

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