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第19話 考えたくない。 4
その後も僕は俊の面倒を見た。
「うわぁ、……スカトロ!!あちゃー大量だなぁ」
糞臭いと思ったけど、赤ちゃんの糞はさして汚さは感じないのが不思議だと思った。
俊は泣いて笑って、糞尿、遊んでやって、適当に麦茶飲ませて、おやつを食べる。
……セックスとオナニーしかない生活が、僕にとっては新鮮な体験でしかないから楽しい。
「……うぅ」
俊が目を擦った。
「俊、眠いの?」
そろそろ夏だけど、この家は不思議と暑さを感じさせないし、寧ろ快適だった。
「そういえば僕も眠いや……。一緒に寝るか」
「……ねんね」
やっぱ俊は眠いみたい。
それ専用なのかブランケットがあって、僕は俊に座布団を2つ繋げて寝転がらせてからかけた。
「……僕に弟がいたらこんな感じだったのかな」
同じ年、双子の妹の『アカリ』じゃなかったら上手くいってたかな。
仲良くやっていけたかな。
「憎いけど……嫌いじゃないよ『アカリ』。今でもね」
考えたくない。
けど考えるのは、久しぶりに家族に触れちゃったから。
でもこの家族もなんだか可笑しい。
親しげさの中に何か違和感があるのを僕は感じてた。
「だからって聞けないんだよなぁ….」
俊を見るともう安らかな寝息を立てて寝ていた。
「僕には関係ないし、考えないで昼寝に限る。寝よう」
僕は自分で腕枕を作って、俊の隣に寝そべると、大あくびが僕の口から出た。
「この『美しい』僕と添い寝が出来るなんて、俊も幸せだよ」
僕が睡魔に襲われて……睡魔の癖に僕を襲うなんて良い趣味してるね……なんて思いながら目を閉じた。
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