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第20話 僕は聞いてほしかった。 1

唇が……暖かくてキモチイイ。 相手は薄い唇だった。 僕は寝込みを襲われるのも日常茶飯事で、眠ったまま感じてた。 「……ンぅ」 僕はそのキモチイイ口づけに角度を換えて更に求めた。 はぁ、上手いじゃん……。 僕のペニスが半勃起ってるのがわかる。 この唇の持ち主にもっと荒々しいキスが欲しくて、 セックスがしたくて目を開けようとしたら、暖かいものが目の上に乗った。 ……キモチイイ、なんだろう。 「泣かなくて……いい」 身体にほど心地よい重低音の声が頭の中に響いていく。 ああ、僕は眠りながら泣いていたんだ。 だから……胸が苦しかったんだ。

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