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第3話
それから数分後
「今出たよ」
その連絡が来た。風呂上がりだし風邪引いたら大変だ…そう思ったので
「迎えに行こうか??」
提案したけれど
「大丈夫。本当に直ぐだからさ待ってて」
待っててと言われたからおとなしく待つことにした
「一番奥に停めてる。待ってるね。気をつけてね」
それから直ぐ小さな陰が近づいてきた。車の色と車種は伝えておいたから直ぐにわかったのか小走りで来てくれた。なんか…凄く…可愛い…ぼんやり見惚れてる場合じゃ無い。急いで車を降りて迎えた。これが恋人なら抱きしめたりするだろうか?
「初めまして!!」
少し息を切らしている様子がなんだか妙に色っぽい…なんてそんなこと考えてる場合じゃ無い…しーさんは俺の好みドンピシャの見た目。そこまで小さい訳では無いが俺より少し小さくて華奢。顔立ちは可愛らしくて童顔で…これで自信ないとか嘘だろ?色々と思っていても仕方ないので気持ちを切り替えようと声を掛けた
「しーさん!!ごめんね!いきなり呼び出して。急いで来てくれたの?髪乱れてる」
まだ少し濡れた髪がちょこんと跳ねてて可愛かった。そっとその髪に触れ直す。するとほんのり頬を染めて上目遣いで俺を見てお礼を言ってくれた
「ありがと」
何だろう…この人…本当…可愛い…ぐりぐりなで回してその小さな唇にキスしたいけどそんなことできないんだ
「わー…生しーさんこんな感じなんだ」
「想像と違った?」
「うん。違う。けど可愛い」
確かに大きく違った。自信が無いとか言うし自分を否定するから残念な顔立ちとか残念なスタイルとかって思っていたのにそうじゃないんだから。目の前の人は天使みたいに愛らしい人だったのだから…
「なんか馬鹿にされたような気がしたんだけど…」
「してない」
「ねぇともくんさ、もてるでしょ?」
それはやっぱりこの人も言うんだ…
「モテないよ。喋らない方がいいとはよく言われるけどさ」
見た目は派手な自覚がある。かなり遊んでそうとか女の扱い慣れてそうとか耳にたこができる程言われてきた。
けど俺は馬鹿だ。見た目はこれだけれど喋っていたら馬鹿なのがバレるから喋らなきゃいいのにって最後には言われてしまうのだ。
馬鹿と付き合っていても疲れるとでも思われているのだろう。きっとしーさんもそんなことをいつかは言うんだろう。
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