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第6話
「はよぉ…ともくん…早いねぇ」
そう言ってへニャリと笑うと俺の頬をなでた
「本当は…きれいな顔してるよねぇ…羨ましい…」
「くすっ…しーさんが可愛いよ」
そう言ってそっと額に口づけるともっとふにゃふにゃな笑顔になった。
「ふふっ…くすぐったいよぉ…」
まだ、覚醒しきれてないから無防備だ。こんなんだから襲われるんだよぉ。なんて思いながらサラサラと髪をなでているとフニャフニャの笑顔がふっと消えた
「…ともくんみたいな人が好きになってくれたらいいのになぁ…」
そう言うともう一度目を閉じた
その切実な声にもう…伝えてしまおうかって思うけれど…でも…
「違う…俺ではだめだ…」
自分に言い聞かせてぐっと堪える
それから少しして覚醒したらしいしーさんががばりと体を起こした
「おはよ!もう起きてたんだね!朝ごはん食べる人?」
さっきのは俺の都合の良い夢だったのかもしれないな…思わず吹き出すと不思議そうに首を傾げたしーさんをそっと撫でた。
それから簡単に朝食を作ってくれたしーさんは本当に大切そうに一口一口楽しんでいた。
ただ食べているだけなのに幸せそうで俺までなんだかふわふわしていた。
それから暫く時を過ごして帰路についた
自宅が近付くに連れさっきまでのふわふわした心に冷たい風が吹いてきた。
「まだ…逃げられない…」
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