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軍事演習の事前準備②
陸上自衛隊の戦闘機貸出窓口に戻り話をすると
「えーそれ、まじすか、明日は他でも使用する予約が入っていて、先ほど貸した戦闘機を一度返却して大型機操縦していくのはいかがですか?」
「だが、乗る人数に制限があるだろ?」
「そうですね……荷物も輸送するんでしたっけ?」
「海上自衛隊の」
「あちらさんはあちらさんで荷物発送すればいいのにな」
「ちょっと考えて相談します」
「はい」
「どうします?」
「本当は使いたくないが仕方ないか」
「も……もしかして異世界に行けちゃうゲートですか??」
「声静かに、こんなこと議長にバレたら国王としての権限なくなっちゃうよ」
「すみません」
「はぁーやっと少し休めると思ったのに……」
「なにか言いました?」
一条に聞こえない声量で喋ったので戸惑っていた。
「なんでもないよ」
「さてと盤上にこれから先にカロン州向かうからって連絡してくれる?」
「え? これから?」
「そう、あ、新藤くん」
「決まりました?」
「さっき借りた戦闘機、1機だけ今から使用したいから許可とって」
「え、これからカロン州行くんですか?」
「うん、燃料補給とかは俺やるし、パイロットも確保しなくていいから戦闘機だけ貸して」
「……日帰りってことっすよね?」
「そう」
「そのあとのプランは?」
「明日の分大型機借りる」
「まさかと思いますが操縦者って……」
「え、俺と斎藤にでも頼もうかな」
「……アクティブですね、あれ、でも大型機まさか2往復するんですか?」
「いや、そのための今日カロン州日帰りするの、このこと大佐には秘密にしておいてね」
「え、上司に報告は絶対なので……」
「さすが新藤くん」
「じゃ、今日23番機使用ということで、明日大型機の853号をお使いください」
「ありがとう」
「言葉足らずですが、無理しないでくださいね」
手をあげ、その場を立ち去る。
※ちなみに新藤 くんは陸上自衛隊の戦闘機整備部隊の部隊長で花咲がくるというだけで舞い上がってしまうほどに大ファン。
部下を押しのけ自分が担当業務に入ってしまう。
そして今1人で悶絶している。
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やばばば、かっこよすぎかよ、もう年齢とか関係ないんだよな、それをこなせるってとこがかっこいいポイント、はぁー俺もいつか花咲隊に入隊して、戦闘機に乗ってどこへでもお連れいたします。とか言ってみたい。
「あの、部隊長キモいです」「そうです、くねくねしないでください」
「わりぃ」
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