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過去編 演習

始まりの合図をした瞬間、先ほどまで感じていた、のほほーんとした空気から息もしづらい重い空気に押しつぶされそうに……ならないでいた。 相手との距離は800m 近くもないし遠くもない。ちょうどいい距離で演習が行われる。 それに山あり谷ありで実際に歩くと長く感じる距離でもあるだろう。 ---------------ジャンクサイド 「さてさて、お手並み拝見かな」 スコープで花咲の居場所を確かめようとするが 「身を隠すの上手いな、コヨーテはバレバレの位置にいるし、ルカもここからなら狙える、まぁ簡単に終わらせるのはつまらないからな」 その時チュンと岩にペイント弾がついた。 は? この距離を一瞬で見破った? 弾が発射された位置を確かめる。 いやいやそこの山からは普通狙わないでしょ。 『隊長、大丈夫すか?』 無線で連絡を取り合う。 『んーヤバイもん、日本から送られてきたかも』 『うわぁ……ザザ……死にました』 『だれに? ルカそこにいないよな』 『ボーイじゃないですか』 『姿は?』 『見えませんでした』 『一旦引く』 『了解』 ロギがこんなに早くやられるなんて、でもあの距離に修正速度とここまでの正確な狙い撃ち。 外した原因は実弾とペイントボールの重さだろうな。 嬉しいな、俺よりもすごいんじゃないか? 『シブラー』 『なんすか? 俺花咲と少し遊ぶわ、うまく隠れといて』 『りょ……すみません死にました』 『はぁ!?』 ちなみにボスは俺だ。 ルカは山道にいる、コヨーテも身を潜めたな。 んじゃまずはルカをいただきますか。 撃つとルカに当たる。 その場で座り込んだ。 「ふぅー」 花咲の死角に回り込んで、脇から狙い撃ちにしてやる。 目があった瞬間、俺はペイントボールに塗られた。 全員が集合し、お互いを見る。 「シブラーなんかいうことある?」 「舐めた口きいてすんませんでした」 シブラーがかなりけなしていて、この変わりようだ、頑固なシブラー大人しくさせるなんて、これは普通にすごい。 「いや、お前めちゃくちゃ射撃すごいな!!」 とルカが興奮していた。 「俺上から見てたんだけどさ、正確性ありすぎて逆に敵じゃなくて良かったって安堵したよね」 「それ、俺も思った、正直最後ロギと目あったんだけど、その前にペイントボール当たってさ生き延びたよね」 なんとなくだが、認め合えてるしいいチームになりそうだ。 「花咲、お疲れ、いい腕前だな」 「いえ、そのありがとうございます」 「ん?」 急に礼を言われた。 「俺、あまり人とコミュニケーションとるのまだ苦手でこういう機会を用意していただけたのはすごく嬉しいです」 「ブハハハ」 ? 「君さ、いくつ?」 ……。 「15です」 その場にいた全員が呼吸するのも忘れた。 「へ……兵器なの!? 日本軍はこんな兵器を隠し持ってたの!!?」 「ハハ、そりゃすごいな」 「うひょー世の中って広ーい」 たまげた。 「改めて、ようこそカロン州陸軍基地へ」 「よ……よろしくお願いいたします」

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