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過去編 力の開放

「ライガ、ウォーター、ヒエン俺に力を」 服装が軍事服から魔法ローブに変わる。 !? 俺の後ろには魔獣が現れた。 高台から空中を歩き始める。 その光景を一番近くで見ているジャンクが一番驚いていた。 『ルカさん、今どちらにいますか?』 『地下、交戦中……』 「水を操りしもの、わが名のもとに力を示せ」 基地上空に魔法陣が浮かび上がるとおぞましいほどの水が生成されそれが地上に降り注いだ。 『うわぁ!!なんだ水が』 『そのまま、水に流されてください』 『は?』 「ライガ、仲間以外を死の刑にしろ」 「御意」 ピカっと光ると基地が爆発した。 そして泡に包まれている仲間が出てきた。 『なんだこれ? シャボン玉??』 『ふわふわしてるし、なんだこれ、傷が治ってく』 ふと上を見上げると人間が浮かんでいた。 「ジャンク隊長、ご無事でしたか?」 「ああ」 「あれ? 花咲は?」 頭上から降りてきた。 「お前、何者だ」 とライフルを掲げてきた。 「……、そう言われるのも無理ないでしょ……」 しゅんと暗い顔になったのをジャンクは見逃さなかった。 ぎゅっと抱き寄せ肩で泣きながら 「ありがとう、お前がいなかったら仲間は全員死んでた」 「ああ! 最高だぜ花咲!!」 「よかっ……た」 がくりと足が砕け地面に膝をついた。 「大丈夫か?」 「ああ、久々に魔法を使ったからな、消費が」 「そうだ、あれやっぱり魔法なのか?」 「このことは! 内密にしてくれませんか?」 「でも、この基地のやつらは見てるんじゃないか?」 「いちを記憶操作魔法もさきほど組み込んでいましたので問題ないとは思うのですが」 「俺たちは?」 「仲間でしたので、口外するようなら記憶を消します」 「いや、ダメ! 口外しない、てかしても信じてもらえるか分かんねぇしな」 「たしかに! 花咲俺たちのこと見捨てないでくれてありがとうな」 にぃと笑い、俺にも仲間ができたことが嬉しかった。 「よっし! 報告にいきますか!!」 「ああ」 「花咲、後で詳しく説明しろよな」 「……はい」 俺たちは基地に戻り、ジャンク隊長がボスに報告している間に宴が始まった。 「ジャンク隊に乾杯!!」 どんちゃん騒ぎの中、未成年の俺はオレンジジュースを飲んでいた。 それに人種が違うのか、いまいちリズムに乗れないでいた。 「一人でどうした?」 「ジャンク隊長」 「俺の部屋行くか?」 「え、でも宴は」 「気にするな、あいつらでどんちゃんしとけばそのうちぐっすり眠りにつくだろう」 ジャンクの部屋に案内された。

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