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過去編 ラスト

「もう一度聞くが、君は魔法使いなのか?」 「……はい」 「実はな、もう知ってたんだ」 「え?」 「覚えてないかもしれないが、お前を救ったのは俺の隊と岩崎隊だった」 !? 「そこで見たものはすごかったよ、今回みたいに水を扱ってた」 「俺、その記憶はあまりなくて」 「うん、苦しい記憶だもんな、思い出さなくてもいい」 腕を引っ張られ胸元に顔が埋まる。 少し汗ばんだ男の匂いがした。 「本当に、ありがとうな、任務成功もだし、仲間も死なずにすんだ」 頭をぽんぽんと撫でてきた。 なんだろ……この優しい気持ちに俺はすがりたいのかもしれない。 臆病だったあの頃、男に何度も体を開き、痣だらけになりながら毎日殴られ、いっそ死んだほうがましだと思う日々。 でも、今こうしてジャンク隊長の腕の中にいるのがとても心地いい。 まるでコーディと一緒にいる時みたいに。 「花咲」 と声をかけられると、ジャンクは俺にキスをしてきた。 「んっ」 分厚い唇が俺の唇にぶつかり舌が入ってきた。 お互いを求めるように生暖かい舌がまとわりつく。 「あっふっんん」 「わりぃ」といい、離れるが俺は押し倒してしまった。 「うぁ」 「はぁはぁ」 と静かな暗闇の部屋、月の光だけが2人を照らしている。 「俺、ここには代表兵としてきたけど、議長には死んでって言われてきた」 と泣き出してしまった。 「おいおい、15歳にそんな酷な任務背をわされてたのか?」 「う……うっ俺はいらない子だから」 「おいおい、急にそんなこと言うなよ、俺のところにくるか?」 「え? いいんですか?」 「あったりまえだ、お前みたいな強いやつ俺は好きだぜ」 優しい笑顔が目に焼き付いた。 そのあとはなぜか流れでジャンクに抱かれ、朝起きたらすやすやと隣で眠るジャンクの顔を見ながら嬉しそうにキスをした。 「もっと」 といい急に起き上がり、朝勃ちの処理をした。 だが、日本特殊部隊は俺を日本に拘束した。 会えるのは外交官としてか軍事演習、任務につく時だけになった。

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