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カロン州
着陸して、ヘルメットを外すと迎えに来たのはジャンクだった。
!?
「えっと……お疲れ様です」
にやっとジャンクが笑い。
「翔太、おめでとう」
と抱き着いてきた。
「あ、ありがとうございます」
「今夜やるか?」
俺は真顔になり
「いえ、やりません」
「つれないな」
と尻を揉まれた。
付き合っているわけではない、あの日抱かれたのは事故であってほしいが、ジャンクは俺のことをかなり気に入っている。
「で、なにしにきた?」
「ゲートを開こうと思って」
「あー異世界とのね、んじゃこっち」
と案内された。
陸軍基地が所有している倉庫に案内され倉庫ネームを見ると
「翔太、アイラブユー」
と書かれていた。
「あの、恥ずかしいので名前を変えてくれませんか?」
「絶対にヤダ」
「後でほかの人に伝えます」
中に入ると小型旅客機などほかに武器なども置いてあった。
「結成祝い」
本当にこの人は……。
「拠点ができて助かります、ありがとうございます」
「お礼はキスでいいよ」
「……」
「冗談冗談」
ゲートは隅っこに開設した。
「俺にはなにも見えないが」
というのでおでこにある紋章をつけた。
「お!!見える」
「んじゃ俺も日本に行きたい時はここ通ればいいのか?」
「いえ、申し訳ないが俺の魔力が減るので非常事態の時のみにしてください」
「ちぇっ」
ゲートを作り終えたのでヘルメットを被ると
「!? おい、もう帰るのか?」
「はい、ゲートを作りに来ただけなので」
「……」
「では、また明日お会いしましょう」
「ああ、その渡辺隊のこと聞いた。議長の差し金だと思うが、あまり魔法のこととか話さないようにな」
「はい、ご忠告ありがとうございます」
にこっとお辞儀をし、また日本に戻った。
また3時間をかけて日本に戻ると、集合時間まであと、2時間とかだったのでそのまま花咲隊の仮眠室で横になった。
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7時間遡る。
一条は花咲を見送り、渡辺隊に報告を終え、盤上に声をかけると
「盤上さん」
「うん、お疲れ」
「お疲れ様です、あの隊長が今からカロン州に行くと報告してくれと頼まれました」
「……は? 今から?」
「はい」
「……隊長、昨日、一昨日と寝ていないんだよね」
「えええ!?」
「隊長が決めたことだから仕方ないか、明日は無理のないように俺たちがサポートしよ」
「はい」
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