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面会
ジャンクが部屋から出てきた。
目が合い
「おう!翔太……どうした?」
「今、よろしいでしょうか?」
「ああ」
「今回、一緒に来日しました、渡辺隊です」
「初めまして……」と恐る恐る話しかけた。
さっきまでの威勢はどうした?
と問いかけたくなるが話が進まないのであえて言わないことに。
「?母国語で話されてもな……」
とジャンクは意地悪する。
ジャンクは日本語がわかる。
「あの……渡辺隊長、英語で喋られては?」
「俺は英語苦手なんだ」
「……それで外交官とか、よく思いつきましたね」
「う……うるさい!!」
渡辺隊の年齢層は30-40代の間で主な任務が国内ということもあり、語学に長けているものはいない。
「それよりも翔太、話がしたい、部屋に来てくれるか?」
「はい」
俺が渡辺隊を置いて、ジャンクの後ろを歩こうとしたら。
腕を掴まれた。
「ま……待ってくれ」
議長の企み=渡辺隊と思うので、変にあしらってしまうと今後立場を悪くするのも嫌だ、対処が難しい。
「SP」と一言、ジャンクがいうと渡辺隊は連行された。
「これでよいか?」
顎をくいっと持ち上げられ、キスをしてきた。
「……はい」
「SP、部屋に誰も通すな」
「了解」
部屋に入った瞬間の濃厚なキス。
「んっちょっんん」
「翔太」
と上半身を触ってくる。
「んんっいけません」
「なんでだ、求めてただろっ」
「求めてません」
頑な拒否する。
「ぷはっ」口が解放され、ソファーに案内された。
「前置きはさておき、軍事演習について少し話をしたい」
「前置きって……」
げっそりと疲れる。
「今のあの様子だと軍事演習どころか兵士とのコミュニケーションもできないだろ、なぜ連れてきた?」
「議長の差し向けです、俺にたいしての嫌がらせでしょ、基本渡辺隊は無視していただいて問題ありません」
「そうか、翔太疲れてないか?」
顔を窺われた。
「これ以上、大統領に何かされないかぎりは通常です」
「なんだそれは、俺を誘っているのか?」
「いえ、誘っておりません」
「ハハっ! やっぱり翔太は楽しいな、一緒にいて飽きない」
「それはどうも」
「そうだ、いい軍事演習を思いついた」
「変更はしても影響ないのですか?」
「ああ、ゴム弾を使用して実際に戦闘する」
「なるほど、それなら渡辺隊も参加できそうですね」
「日本部隊は翔太の隊と渡辺隊ってだけでいいんだよな?」
「ええ、7人と渡辺隊4人ですね」
「んじゃ大将は渡辺隊から出せ」
「ええ、近接対応ならそうします」
「んじゃ明後日の演習でな」
「はい」
話し合いを終え俺は日本部隊の合同部屋に演習内容を伝えに行った。
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