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女装、するのか?⑨
「んっ、んぅ……り、きっ!」
俺たちは無事ゴールした。
思わぬ攻撃には合ったが、何とか紐も取れず温泉無料券もゲットした。
だが今はそんな事よりも爽良の事だ。
この胸の高ぶり、そのままぶつけてもらうぞ。
「はぁ、あっ……んぅっ」
こいつ、いちいち声がエロい。
路地裏で、誰に見られてもおかしくないからか抑え込もうとしている声が逆にエロさを引き立たせる。
お化け屋敷から直行で雰囲気もなくこんな場所でキスするのはまずかったかもしんねえ。
でも一度灯った火は中々消えねえんだ、灯すばかりかあの言葉で大きくしやがったんだから、ちょっと付き合ってもらうぞ。
と、理不尽とも取れる言い訳を並べ、俺は爽良へと容赦なく舌を絡ませる。
爽良の身長は低めだ。俺の胸板までしかなく、百六十ちょっとくらいないのだろう。
顔も小さく、当然ながら口も小さい。
その小さな口から伸ばされた舌は、俺の舌に翻弄されながらも必死に絡みつき、拒まれる気配がない。
(こいつ……)
少しでもそういう素振りがあったら即やめようと思っていたのに、これではやめられない。
拒否しない相手に、欲望を押さえつける意味なんてないだろ?
爽良の手は俺の首の後ろに回されてんだぜ?
これ、もっとしてって言ってねぇ?
「え……んむっ!」
キャミソールワンピースを肩から外し、手をシャツの中に滑り込ませる。
爽良の唇から離れると、俺はしゃがみふっくりと膨れた乳頭を口に含めた。
これなら女にもやる行為、許容範囲内だろう。
ちらりと反応を伺っても、爽良は片手を口にやっているだけでやはり拒否する素振りは見られない。
一体俺にどこまで許すつもりないのか。
まさか『女になりたい』ってのは、『女として抱かれたい』ってのも含まれるんじゃねえだろうな?
最後まで出来そうなその雰囲気、正直怖いぞ、俺は……。
「あっ、あぁ……り、きっ」
「なんだ? やめるか?」
「や、めなるなっ」
目尻に涙をちらつかせ、紅潮した顔で懇願される。
ぎゅっと自身のそれに押し付けるように俺の首の後ろに手は置かれ、『離すな』と全身で訴える。
分かってんのか?
ここ、一応外だぞ?
このままずるずると進めると、本当に最後までやっちまいそうだ。
今日の目的はデート。女のように甘やかし、大切に扱う事。
だがこれは、初デートにジェットコースター並の進み具合で最後までやってしまう、獣のような輩と同類な気がする。
つまりはやり目的のクズヤロウと同類という事だ。
それが付き合っていて好きが爆発し、だったら良いのだが、大事なのは俺たちが付き合っていないという事。
いくら爽良が拒否する素振りすら見せないと言っても、これ以上進むのは如何なものか。
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