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外から見た2人 ③

「爽良って身長低いし細身だから、女装も似合うと思って」 「じょ、女装は……ひ、一人にしか、見せたくないから……」  頬を染めながら、チラリと李樹を見やる。  そうだ、そうでした、こいつら先週デートしたんだった。それも勘違いが錯綜し、爽良が女装したのだとか。  普通に生きてきて女装する機会なんてそうそうありません、つまりそれは爽良にとって初めての女装だったのでしょう。  その時の爽良の気持ちは、『女装は恥ずかしい。でも、李樹になら……』という乙女チック全開の思考をしていたのでしょう。 ―――でも。  でもさ。  今、その反応を求めてるわけじゃないのよ。  君が放ってしまった『女になりたい』という誤解を、どうにか解こうとこっちも必死な訳よ。  だから、さ。 (協力してくれ、頼むから!)  作戦その一は、こうして失敗に終わった。 「さあてここで、突撃インタビュー!」  パフパフパフ、と一人口で音楽を鳴らし、手をマイクの形にする。 「男装して何が変わりましたか!?」  マイクを向けたのはこれまた格好良い男の格好をした人だ。  ちなみに、性別は女である。  この学校の名物、男装の生徒会長、それもイケメン。  一年の時は普通に女の格好をしていたらしいが、女の姿を皆が忘れる程男装の似合っている人だ。  廊下で歩いていたそんな人を捕まえ、二人の前で僕はマイクを構える。 「変わった事? そうだな……視線、かな。皆キラキラした目でボクを見始めてね。女の姿でも女にモテていたんだが、それ以上に黄色い声援を浴びる事になった。それにスカートじゃないから足を広げられ楽だし、男と喋っていても僻まれる事がない。『楽』、その一言に尽きるね」  妖艶な仕草で顎に手を当て、瞳を細める。  よし、ここで方向転換だ。  と、僕は今度はマイクを爽良に向けた。 「爽良は、男になりたいとか、女になりたい人の事、どう思う?」 「どうって……好きに生きれば良いし、『自分』を見つけて貫ける、凄い人たちだと思うけど……」  そう、そうだよ、その反応だよ!  あくまでも他人事、自分に起こっている事じゃないと分かるその発言!  さあて李樹の反応は~っと……これは……ダメだな。  一瞬目を見開き、首を傾げ、『ああ人前だしな』という顔をした。  確かに人前だけどさ。  本当に女になりたいと悩む人は、例え人前だとしてもそんな他人事な態度、取れないと思うよ?  好きな人の反応くらいちゃんと見ようよ、そうすれば余計なすれ違いも誤解も生まずに済むんだからさ。 (はぁ)  そうして『これも失敗か』と項垂れる僕に、生徒会長から手が伸ばされ、何故か首元に手を置かれ顔を上向かせられた。

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