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第14話
「俺はきみと千里専属の弾よけになる。だからきみは俺専属の弁護士になれ」
「意味がよく分からないんだけど……」
「だから」
遥琉が声を荒げた。
「きみと千里は俺がこの命にかけても守る。カタギじゃないから怖い想いはさせるかも知れないが、もう二度と哀しい想いや、辛い想いをさせないと誓う。だから、きみは弁護士を目指せ」
遥琉が提案したのは、遥琉と蒼生さんと仲間たちが住むアパートで、住み込みで働きながら高校に通学することだった。家事と炊事と、ろくに学校に通っていない仲間の少年たちに勉強を教えることも含まれている。
大学に進学するのも、通うのも金が掛かる。ファミレスと住み込みのアルバイトで稼いだ金はなるべく貯金に回せ。
彼と出会ったとき話しがある、彼が言ってたのはこのことだった。
「待ってないで俺の方から早く話せば良かった。ごめんな」
「遥琉は悪くない」
首を振りながら千里の顔をちらっと見ると、
「アタシは大丈夫。高校に進学出来るように勉強頑張るから、お兄ちゃんも弁護士を目指して頑張って」
「ありがとう千里」
「うん」ようやく笑顔を見せてくれた。
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