病院の帰りにスーパーに寄ってもらった。 初めて来た場所だから、どこに何が売っているのか分からなくてかごを手に店内をウロウロしていたら、 「優璃これとこれも頼む」 彼がどさくさ紛れてお菓子を次から次にかごのなかに入れたものだから、 「ちょっと遥琉、お菓子は一個までの約束だったでしょう」 注意すると、 「蒼生のと、千里のだよ。一個百五十円以内は守っているはずだ」 ニヤリと笑うと背中に隠し持っていたチョコレートをぽんとかごのなかに投下した。 「遥琉！」 「俺が払うからいいだろう。これ新製品だって。一緒に食べながら帰ろう」 そう言われれば怒るにも怒れなくなってしまった。 「重いだろう。持つよ」 「ありがとう遥琉」 買い物を済ませスーパーを出ると、予期せぬひとが待ち構えていた。 「どういう関係なんだ？なんであんたのところにソイツがいるんだ？」 「こういう関係だからだ」 片手でそっと抱き寄せられた。 「今後二度と優璃と千里に近付かない。確かそう約束したはずですよね？」 「そんな約束をした覚えはない。それよりも優璃、父さんに金、貸してくれ。なぁ、頼む。この通りだ」 いきなり土下座された。