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第2話
それからのオレは、同じポジションなのをいい事に松若先輩に積極的にアピールした。
先輩はいつも冷たい目でオレを見て、時には無視されたりもして。
オレはその無視さえもたまらなくて、ますます先輩に惹かれていった。
そんな中、遠征帰りにオレは見たことのない先輩の顔を見た。
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先輩を視界に入れながら親が迎えに来るのを待っていると、先輩がスマホで誰かと話し始めた。
「はい……」
その声が、いつもより高いトーンに聞こえる。
「はい、分かりました、待っています。お気をつけて」
見えた横顔。
その頬は少し紅くて、口元は笑っているように見えた。
それから割とすぐ、先輩は黒いワゴン車に乗って帰っていった。
「あれ、道籠繋センパイだな」
「へ?誰すか、それ」
近くにいたひとつ上の先輩の言葉にオレは反応する。
「今年卒業した生徒会副会長やってた先輩だよ。イケメンで頭も良くて性格も優しくてっいうスゲー先輩でめちゃくちゃモテてたんだよな。松若センパイとは親戚関係らしいけど、仲良すぎて付き合ってるんじゃないか?ってウワサもあったんだよ」
「ふーん、そんな人いたんすね」
聞いてて面白くない気持ちになった。
嫉妬ってやつだ。
「ん?どした?」
「いえ、別に」
先輩に仲がいい人がいるなんて。
普段から同級生でさえ寄せ付けない感じなのに。
オレはその道籠先輩とやらがどんな人なのか気になってしまった。
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