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第4話◇
「……マジでもう少し気を付けて?」
最後にそう言って、これで話を終えようかと思いきや。
「でもなー。……芸能人の女の子たち、皆すげえ可愛いしさ」
「……はあ……もう……」
「――――……涼は? 涼もやっぱり、そう思う?」
「……思うよ。そりゃ、ルックスの偏差値めちゃくちゃ高い人達が揃ってると思うよ」
ほんと、可愛い子も綺麗な子もいっぱい居るよ。
カッコイイ奴も、ほんと驚くほど居るよ。
……でも、そん中でも蒼紫が一番カッコいいけど。
ほんと芸能界来ても、実感する。
蒼紫が一番カッコいい。
って頭溶けてるな、オレ。
…………何の話だっけ。
ああ。
可愛い子がいっぱいだから、色んな子と遊んでるって話か……。
「……なんかもう、何も言う気しなくなってきた……」
ため息をついて、力を抜いて背もたれにもたれかかってしまう。
「遊んでもいいから、人の目に付かないとこでお願い。写真撮られなければ、オレ、文句は言わないよ?」
「――――……」
もうちょっと言うなら、本当は、
オレの目に映らないとこ、耳に入らないとこ、がいいけど。
自分の想いが叶うなんて微塵も思ってないから、期待なんかしてないんだけど……。なんか、ずき、て、胸が痛いんだよね。
――――……オレ、ほんとにずーっと、
蒼紫が好きすぎて。
…………女の子を、見ようって、思うし。
付き合おうとしたり、頑張ってるんだけど。
さっきみたいな、そういう写真、見せられると、なんかもう、女の子のこととか、どうでもよくなる位。
心臓が痛む。
…………まあ。
しょうがないんだけどさ。
――――……蒼紫が女の子と付き合うのは、しょうがない。
カッコいいしさ。
歌うまくて、ギターも凄くて――――……。
そりゃ女の子、ほっとかない。
分かってるんだけど。
……見えないとこで、やってほしいなあ。とは、思っちゃう。
言わないけどね。
こんなの、今までずっと、同じ事感じてたけど、我慢してきたし。
全然平気。というか慣れてるし。
と思うんだけど。
やっぱり見たくないなーと思うのは、
やっぱり、好き過ぎだから。今は仕方ない。
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