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第7話◇

「オレの事けん制するくせに、自分はちゃっかりしてた訳?」  もう。何でそんなに怒ってるんだよ。 「……何、その言い方。オレ、蒼紫とは違うし。あの時は、付き合ってくつもりで……」 「……今、そいつと付き合ってるわけ?」 「……付き合ってない。色々あったから、連絡も取ってないし……」  ……つーか、むしろ蒼紫があの子と連絡とってるんじゃないの?  そう思うと、また胸が痛い。  あーもう……。  この1件に関して、蒼紫は、その子とオレの関係なんか知らないから……蒼紫は悪くない。  誰かが悪いとするなら、気づかなかったオレと、オレと蒼紫を使って売れようとしたその子。……と、あれこれ手の早すぎる蒼紫。……てやっぱり蒼紫も悪いのかな。  ていうか、何で狙うの、オレ達2人なの。オレに来て見切ったなら、蒼紫じゃなくて別の奴んとこ行けばいいのに。これ、普通なら、オレと蒼紫の関係だって悪くなってたし! オレが隠したくて、蒼紫に言ってないからそうなってないけどさ。 ほんとに、意味がわかんない。  なんか、思い出すとむかつくから、  思い出さないようにしてたのに……。 「この話は終わり。 オレ、思い出したくないの」 「……思い出したくない?」 「この話の関係で、すごいやな事があったんだよ。……だから、おしまい」  蒼紫が目を据わらせる。  うわー、めんどくさ……。  この顔してる時の蒼紫はほんと、めんどくさい。  ……大好きでも、面倒だと思ってしまう位。  いつもはむしろテキトーな感じで、なんでも、「まあいっか」っていうノリなのに、たまにスイッチ入ると、本当にオレの手には負えない。  絶対この話終わらせる気、ないな……。  あーもう、逃げたい。本番まだかな。  早く呼びに来てくれないかな……。

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