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第30話◇
唇が塞がれて、舌が絡む。
「――――……ん……っ」
どうしてたらいいのか。
分からない。
首に手を回して抱き付いたら、蒼紫に密着してしまって。
めちゃくちゃ、キスされている。
「んん、あお、し――――……」
「……ん?」
「……息……くるし……」
ふは、と息をつぎながら、蒼紫に言うと。
蒼紫は、くす、と笑った。
「……嫌なの?」
「――――……や、じゃない」
「じゃあ続けていい?」
「……オレが酸欠で倒れたら、どーすんの……?」
言ったら、蒼紫が、クスクス笑いながら、すり、と額を合わせてきた。
「……どーしような」
超至近距離で見つめられる。
ああ。もうドキドキする。
好きすぎて。
「蒼紫……」
ぎゅうう、と抱き付いてしまう。
「ん? なに、涼……」
笑いで揺れる、蒼紫の体が、密着してる事が嬉しくて。
「蒼紫ー……」
「うん……?」
「――――……大好き、だよー?……」
むぎゅむぎゅと、抱き付いて。何だか感極まって、そう言ったら。
また唇が触れた。
「……ああもう――――……可愛いな、涼」
「んぁ……」
あ、なんか、変な声、出ちゃった。
蒼紫が変な風に唇重ねるから。
「は。可愛い、今の声。もっかい出して」
「……っむ、むり。ん、んっ……」
んーー、とか蒼紫が言いながら、舌が入ってくる。
「……っん…」
深く重なって、舌が奪われてしまう。
「……あおし、オレ――――……」
「……ん?」
「あお、し、てば……」
は、と息をついて。蒼紫を見上げる。
なんか視界がぼやける。蒼紫の顔が、滲んでる。
「……泣いてる」
くす、と笑う蒼紫が、オレの目尻をぐい、と拭う。
拭われて、視界がはっきりすると、蒼紫が、クスクス笑いながらオレを見つめていた。
「涼、可愛い……」
また唇を塞がれそうになって、蒼紫を一回止めた。
思わず、手で、蒼紫の口に当てたら。
ぷ、と蒼紫が笑う。
「邪魔、手……」
笑んだ蒼紫に、手を掴まれてしまった。
「蒼紫、オレね……」
「んー……?」
「……っひゃ!」
掴まれた手に、ちゅ、とキスされて、変な声が上がった。
話しかけた言葉も消え去って、びっくりして、蒼紫をマジマジと見つめてしまう。
「……あーもう……変な声だしても可愛いって、何」
そんな訳の分からない事を言う蒼紫に、べろ、と指を舐められて。
「ひゃっ……やだやだ、くすぐった……っ」
手首掴んでる手が強くて。外せない。
「わわ、やだって、ば、蒼紫っ――――……」
手の平に、ちゅちゅ、とキスされて。
キスしながら、「んー……?」とか、返事しながら、オレを見上げてくる。
何なの、ヤバいから、そんな事しながら、
見つめてこないでよ、もう……っっ。
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