47 / 62

第47話◇

 大好きすぎて困る、幼馴染のモテモテ男は。  体育が終わった後の食堂でも、女子に、めっちゃカッコよかったと散々話しかけられているのに、「んー」的な相槌で全部適当にスルーして。 「涼、シュウマイ食べるか?」  と、オレに聞いてくる。 「……食べたい」  と答えると、ほいほい、とオレの皿の上に乗せてくる。  「ありがと」  言うと、蒼紫は、ん、と超笑顔。  そのやり取りを見ていた、周りの友達が、蒼紫に向かって。 「蒼紫の中での優先順位ってさぁ、女子より涼のが上な訳?」  などと突っ込んできた。  っつーか、何て事聞くんだ。 「そんな訳ないじゃん」  とオレがすぐさま言うと。 「そうに決まってるだろ」  と蒼紫が言い放った。  オレは、最大限のポーカーフェイスを保ったまま、心の中で、何言ってるんだよう!と叫んでいると。 「大事な仕事のパートナーなんだし。当たり前だろ」 「まあ。パートナーなのは知ってるけどさぁ。なんかそういうんじゃなくて」  蒼紫は、仕事のパートナーと言い切る事にしたらしい。  まわりの皆が言いたいのは、絶対違う事だと思うんだけど。 「涼、醤油いる?」 「ううん。このままでいい」 「ん」  もうすっかり返事は終わったとばかりにまたオレに向かってる蒼紫に、皆、もう続きを言うのもやめたらしい。 「まあお前らが仲いいと、それだけで喜ぶファンが山ほど居るんだろ?」 「あぁ。そうらしいな」  ケロッとした顔で蒼紫が笑う。 「いいよなあ、仲良くしてるだけで、喜ばれるとか」  そんな言葉にも、そーだな、とか適当に返してる。  ……もーいいや、全部蒼紫に任せておこう。  オレは、昼食を食べすすめる事にした。蒼紫に貰った、シュウマイを口に入れると。 「涼、うまい?」 「うん」 「シュウマイとか餃子とか肉まんとか、ほんと好きだよな」  言いながら、クスクス笑う蒼紫。 「結局どれが一番好きなんだっけ?」 「んーー?? どれが?? うーん……餃子……? いや。肉まん……?」  蒼紫に聞かれて、マジで悩んでいると。  ぷ、と隣の友達に笑われた。 「何お前、真剣に考えてんの?」 「だって。全部好きだから」 「じゃなくて、すっごい真剣だから」  クスクス笑われて。かわいーなーお前、なんて言われて、何だよ可愛いって、と笑いかけて。  は、と、蒼紫に気付く。  なんか。他の奴に可愛いとか言われてたら。  なんか、もしかして、怒る……??  そう思ってひたすら、焦る。 「……可愛くないから。変なこと言わないで」 「何で? そーいう可愛いとこがファンは好きなんだろ?」 「可愛くないってば」  わーん、なんか蒼紫が何か固まってるから、黙っててー。  とか。  ……今までだったら、かけらも思わなかったような事を、思うようになっている自分に気付いて、ちょっと、可笑しい気もする。

ともだちにシェアしよう!