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第2話:恋の終わり。***(2)

「イリス・ブルターニュ。お前にはユーリアン王子をおびき出す餌になってもらう。王子には王位継承権を放棄してもらう。その後は、そうだな……ふたり仲良く命を絶って貰おうか。なあに、死人が2人出た所であの方がもみ消してくださるさ」  あの方?  心中って!  コイツらオレをイリスだと思い込んでる。  囚われて良かったのか良くないのか。よくわからないけど、とりあえず今のところは皆無事みたいだ。だけどそれも時間の問題。  もし、ユーリアンがオレを助けに来てしまえば、命がない。  でも、だけど。 「王子は来ないよ。たった2日会った程度の人間を助けに来るもんか!」 「それはどうかな? お前はこの2日間、人知れず王子と逢瀬を繰り返していたらしいじゃねぇか。王子にはその気があるってことだろ?」 「あんたらサイテーだな!」  言った途端だった。 「このアマ!」  腹に鈍い痛みが走った。オレは突然食らわされた腹部の衝撃で咽せてしまう。  苦しくて体を丸め込み、咳を繰り返す。 「身の程をわきまえな、お嬢ちゃん」  こいつら本気だ。  逃げなきゃ。  縛られている縄を解こうと手首を動かせば、皮膚に食い込んでくる。それどころかさっきよりもずっと締めつけが強くなっている。 「どんなに足掻こうと無駄なことだ。時期に応援が来る。王子共々あの世へ行きな」

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