11 / 13

第2話:恋の終わり。***(4)

「イリス痛かっただろう。すぐに助けてやれなくてすまない」 「ユーリアン」  オレの本当の名前、言わなきゃ。  そもそもオレがここにいることが間違いなんだから……。 「オレ、イリスじゃない」  正体を打ち明けようとしたら、ユーリアンは直ぐさま首を振った。 「そんなことより傷の手当てが先だ。さあ、仲間が来ないうちに逃げよう」  どんな相手にでも手を差し伸べてくれる。  こういう優しいところが好きになったんだ。  だけど……。  オレの恋はこれで終わる。

ともだちにシェアしよう!