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第2話:恋の終わり。***(4)
「イリス痛かっただろう。すぐに助けてやれなくてすまない」
「ユーリアン」
オレの本当の名前、言わなきゃ。
そもそもオレがここにいることが間違いなんだから……。
「オレ、イリスじゃない」
正体を打ち明けようとしたら、ユーリアンは直ぐさま首を振った。
「そんなことより傷の手当てが先だ。さあ、仲間が来ないうちに逃げよう」
どんな相手にでも手を差し伸べてくれる。
こういう優しいところが好きになったんだ。
だけど……。
オレの恋はこれで終わる。
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