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第2話 愚痴とお酒、時々おつまみ

「ってことを言われたんだよーー!!!酷くなーい!!!!?????」 ガン、と持っていたジョッキ生を乱暴に置く。 俺、真藤シオンは行きつけのバーで愚痴っていた。 「あらあら、だからそんな荒れてたのね~」 カウンター越しに聞いてくれるのは、バーのママである真梨子さん。 チョコレートブラウンの髪を赤いリボンでゆったり束ね、同じく赤いワンピースを纏った物腰の良い、様だ。 声も女の人みたいだから、初めて会った人達からは物凄く驚かれるらしい。 「ほら、シオンちゃん飲み過ぎよ~何か食べながら飲まなきゃ~」 真梨子さんが俺の頭をなでなでしながら、サービスで出来立ての鶏皮せんべいを出してくれた。 パリパリとした歯ごたえと絶妙な塩加減、一度食べると止まらなくなる。 パリパリパリパリ……… あー美味しい。 真梨子さんが作ったのは特別美味しいからお酒が進む。 ぐびぐびぐびぐびぐびぐび… 「…ぷはーーー!!!!!あーーーもう昨日の占い師本当にサイテーだからーーーー!!!!!」 「あらやだ、せんべい一瞬で平らげたわこの子」 鶏皮せんべいで話題を反らそうとしたようだが、酔いが十分に回った俺には無駄だった。 「にしても、けいたんって最近テレビに出てる人でしょ?よく予約とれたわね~」 占い師、けいたん。 3年前からこの近所に店を構え、当時から占いの的中率の高さが巷で話題になっていた。 最近は雑誌の連載やテレビ出演もしている。 当然予約が取れても数ヶ月先になってしまう。のだが… 「なんか昨日急にキャンセルが出たか何かで見てもらえることになったんだぁ……」 「そうだったのね~。因みに他にはどんなこと言われたの~??」 他のこと。正直しょうもないことばかりだが、指折り数えながら思い出す。 「例えばぁ、『近い将来目の病気やケガが有るかもしれないからカラコン止めなさい』とか~~~~『財布は鞄の奥にちゃんと仕舞いなさい』とか~~~」 「お母さんかしら?」 「本当それなだよ!!!!あ、あと酒と煙草を控えろって!!!!!!!!!!」 「あら~、それは私も同じ意見よ~」 真梨子さんがカウンター上を見ながら言う。 カウンターには俺が飲み干したジョッキがいくつも置かれ、おまけに灰皿には吸殻が溜まっている。 うぅ、少し自重しよ………

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