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焦ることなく、ゆっくりと。
「あっ、あぁ……っ!」
だけど先輩は、着実に挿入していく。
そして、嬉しそうに笑った。
「はぁ……っ、全部、入っちゃった。……あははっ」
「な、んで……っ、笑うん、ですか……っ」
「だって、嬉しくて」
先輩がそう言って、俺にまたキスをする。
その動きでナカにある先輩のが少しだけ動いて、俺は思わず小さく跳ねてしまった。
「ん、っ!」
「痛い?」
先輩が心配そうに、俺を見つめている。俺は視線を逸らして、素っ気なく答えた。
「俺、覚悟は決めていたので。……だから、そんなに……優しくしなくても、平気ですから……っ」
「あっはは。なに、それ?」
グイッ、と。先輩はさらに奥へ、深く突き刺す。
その動きに思わず、短い悲鳴を上げる。
「ひあ、ッ!」
「子日君。これは、覚悟云々じゃないんだよ」
俺の両腿を抱えるように上げると、先輩が不敵に笑う。
「──好きな子に優しくしたいと思うのは、当然じゃない?」
そう言って、ゆっくりと腰を引く。
「あっ、んぅ……っ!」
先輩のは、熱くて硬くて大きくて。それだけで、先輩が本当に俺を相手に興奮しているということが。……そして、俺のことが好きなのだろうということも、伝わってくる。
先輩はゆっくりと腰を動かしながら、俺の頬を撫でた。
「それとも、子日君はマゾ? 苛めてほしいのなら、可能な限り希望には応えるけど?」
「え、っ? ……なっ、に……言って……っ?」
そう言うと、突然俺の胸に顔を近付けて……。
……ちっ、ちく……っ!
「──んん、っ!」
先輩が、先輩が……っ!
──おっ、俺の、ち……乳首を、舐め……舐めて……っ!
「あっ、あ……っ! や、やだ、そこ……っ、そん、な……っ!」
自分でもそんなところ、弄ったことがない。そういう場所を、先輩はまるで女を抱くように愛撫している。
少し歯を立てられるだけで、勝手に腰が跳ねた。自分でもどうにもできない反応のせいで、ぶわぶわと頬に熱が溜まる。
「もしかして、弱点? 乳首が弱いなんて、本当に可愛いね。ますます抱き潰したくなる」
「んっ、あ……っ! やっ、ちが……やだ、やだ……あ、ッ!」
初めての感覚なのに、変な声が出てしまう。
それだけでも十分戸惑っているのに、先輩は遠慮がない。なぜなら、腰の動きを止めてくれないのだから。
それどころか、むしろ……っ。
「あっ! いや、やっ! だめっ、せんぱ──あぁッ!」
「あはっ、凄い締め付け……っ。……エッチだね、子日君?」
「やっ、そんな、こと……っ! 言わないで、くださ──いぁ、ッ!」
「ほら、また。……凄く可愛い」
腰の動きから、俺に対する遠慮が失われていっている。
──さっきまで『優しくしたい』的なことを言っていたくせに。
──これが終わったら、絶対に蹴り飛ばしてやる……っ!
心の中で悪態を吐くも、俺は結局なんの抵抗もできなかった。
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